理想的トランジスタ
現実には存在しない寄生素子のないトランジスタはSPICE上でなら、いくらでも作成できる。回路も組むことができる。
hFEが10000でアーリー効果がほとんどないトランジスタを使えば簡単な回路構成で、たとえばスイッチングレギュレータコントロールICの機能を実現できる。この手を使えば、スイッチングレギュレータ全体の詳細特性を丸ごとシミュレーションできる。
単体のトランジスタにおいて、寄生素子のないモデルと、1項目だけ寄生素子を現実的な数値にしてシミュレーションし比較してみると、その寄生素子の効果が良くわかる。シミュレーションは数式モデルに基づいて計算できるので、寄生素子をカットしたり、大きく設定することができる。
寄生素子の効果を知るには、なるべく簡単な回路で特性を調べるのが良い。一挙に複数の寄生素子を設定すると、複雑化する。
実用的回路設計は、寄生素子やばらつきを考慮しながら回路形式と部品の品種、受動素子の定数を選ぶ。
世の中の回路教科書ではあまり記載されていない寄生素子などの影響を自分で調べることができる。
回路シミュレータSPICEにおいて、モデルを複雑化して能動素子をブラックボックス化するだけの使い方では、不十分である。モデルに付随する各種パラメータの意味を十分に理解して使う必要がある。
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