プッシュプルコンバータ
絶縁型DC-DCコンバータで比較的出力電力の大きいユニットに使われる方式がプッシュプルコンバータである。
この回路形式は、フォワード形コンバータの回生巻き線側もスイッチングした回路形式となっている。1次巻き線のセンタータップから給電し、2個の主SWを接地できる。主SWの駆動を接地基準で行うことができるので、駆動回路のレベルシフトは必要ない。
2つの1次側コイルは密結合でSWから見れば、逆巻きになっているので、2つのSWが同時オンすると急激な電流増加を生じ破壊に至る。
この回路のキーポイントは、2つの主SWを決して同時オンさせないことである。逆にいえば、2つの主SWが両オフの期間を原則として作らねばならない。この場合、SWに逆並列するダイオードにより主SWの両オフ期間の電流の連続性を保たなければならない。
この必須のダイオードを明記していない基本回路と称する図は入門書ほど多い。そのような図と説明を受けても理解することは困難である。
主SWの両オフ期間を作る駆動回路は種々あるが、プッシュプルコンバータではいかにして両オフ期間を確保するかが、主回路の信頼性に影響する。
そして、2次側無負荷の時の励磁電流の挙動をよく把握しておかなければならない。しかし、プッシュプルコンバータは2次側に正負の低インピーダンスの電力を伝えることができるので種々の活用法がある。
『人気Blogランキング』の「自然科学」部門に参加しています。今日も貴重な応援の1票をよろしくお願いします。【押す】
« 台風18号 | トップページ | プッシュプル出力段 »
「電子回路」カテゴリの記事
- 電流増幅器(2012.04.18)
- 高電圧回路(2012.04.10)
- 金属箔抵抗(2012.04.07)
- SW電源(2012.04.06)
- アナログ回路の信頼性(2012.04.05)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント