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著作

  • 共著:「次世代センサハンドブック」培風館(2008)、「マイクロセンサ工学」技術評論社(2009.8)
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    私への講演、セミナー、技術指導などのご依頼はこちらまで↓ okayamaproあっとまーくyahoo.co.jp  あっとまーくは半角の@にしてください
  • 単独著
    アナログ電子回路設計入門 (1994.12)、コロナ社: 実践アナログ回路設計・解析入門 (2005.1)、日刊工業: オペアンプ基礎回路再入門 (2005.7)、日刊工業: ダイオード・トランジスタ回路入門 (2005.12)、日刊工業: スイッチングコンバータ回路入門 (2006.9)、日刊工業: これならわかるアナログ電子回路基礎技術 (2007.6)

専門とする事項

  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

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2009年11月

2009年11月30日 (月)

フォトカプラーのCTR

フォトカプラーは発光素子と受光素子を対抗させ、電流信号をいったん光に変えて透明絶縁固体中を伝播させ受光素子で再び電流に変換する素子である。

発光素子はふつうLED、受光素子はSiフォトダイオードかフォトトランジスタである。最近ではパルス成形回路付きの物もある。絶縁能力はDIP形状品で2kV前後である。CTR(current transifer ratio)は入力電流と出力電流の比である。

出力段ではエミッタ抵抗かコレクタ抵抗を付加して電圧に変換する。

実務ではCTRを考慮し、LEDの励起電流を決め、出力電流を予想して、負荷抵抗を決める。

トランジスタの電流増幅率は温度に対し+の温度係数、LEDの光量は経年的には劣化するとされているが温度変化に対しては具体的なデータは少ない。

普段よくつかわれているフォトカプラー回路だが、尤度不足の設計によるトラブル事例も少なくない。

フォトインタラプタも同様の構造であるが、遮光板が入り込めるくぼみが光路にある。

簡易的な位置センサとしてよく使われるが、塵埃の付着により光量が低下しやすいので、CTRを低めに考えて設計する例が多い。

もっと高電圧絶縁を期待するとなると、LED+導波路+フォトトランジスタで構成することになる。

最近はフォトカプラもIC化されて、規定の電流を入力すれば、デジタルレベルに変換してくれる物もあり、考える余地のない部品もあるが、ひとたび高電圧絶縁や高速性を必要とすると、自作しなければならないのがフォトカプラー/フォトインタラプタである。

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2009年11月27日 (金)

回路屋の育ち方11

本格的な開発を初めて任されたとき、アナログエンジニアは検査部(今は品質保証部と称している会社が多い)に足しげく通った。そして担当製品と関連製品の出荷記録・修理報告書を読み漁った。

メモは一切取らなかった。取るべき書類ではないからだ。実に様々な来歴が記載されていた。

電気的な故障はもちろん、機械的な故障、電気化学的故障、使い方のミスなど様々な事象が記載されていた。当時の不具合修理は部品レベルで行われていたので、故障率の目立つ部品も散見された。身の引き締まる思いで、書類を見て記憶に入れる。

物が壊れるには理由がある。想定された環境外であっても、製品が設置され寿命が尽きたと思われる部品もあった。

いつかはコストの上昇を招かず、検査・サービス部門を煩わさない設計を願った。自分の製品の信頼性を上げるため、種々の工夫を重ねた。

結果はどうだったかと言えば、数年後、故障率を1桁下げることに成功した。

同一顧客で1000台使われるなら、毎月故障したものが年に一台壊れることになれば、その印象は全く異なった物となる。しょっちゅう故障するとの印象がめったに壊れなくなるとの印象に変わる。

このときの経験は、一発勝負の開発や、極少量生産の製品の製品開発にも役立った。

謙虚に製品の声を聞く。これが物つくりの原点であると今も考えている。

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2009年11月25日 (水)

ダイオードの耐サージ性

ダイオードの使い方の一つとして、半導体のサージ保護がある。

サージ保護においては、データーシート上の定格をはるかに超える瞬間耐電流を期待して設計する。

ダイオーードなどでは、(電流の2乗)×(時間)=一定のラインで破損する。破壊モードは主として短絡モードである。たとえば1A定格のダイオードはμs領域では1kA程度まで耐える。

サージ電圧やサージ電流の継続時間は短くかつ頻度が少ないので、実力値で設計しても十分な効果がある。

ただし、小信号用ダイオードでは耐サージ性能の技術資料はほとんどないから、自前で試験することになる。きれいなグラフを得るには定電流パルスで破壊試験をするとよい。短時間大電流であるから、大容量のコンデンサを並列にして電源とした可変パルス発生器を作る。

パルス発生器の制御トランジスタもまた半導体であるから、安全動作領域を参考にして、パワートランジスタを多数並列運転する。

アナログエンジニアは若い頃、ヒューズを含む種々の電子部品の破壊試験を行った経験がある。この経験が、不慮のサージが入る屋外機器の信頼性設計に役立った。

耐サージ設計により、原因不明の故障はかなり減少する。

なお、電源整流用ダイオードで、コンデンサの値を過大にし、トランス容量が大きいとコンデンサへの突入電流とその継続時間が長くなるので、整流ダイオードの耐サージ電流(データーシートに記載のある品種も多くある)を考慮する必要が生じる。

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2009年11月24日 (火)

SPICEを使いこなすには

回路シミュレータSPICEはアナログ電子回路系の解析ツールで、数式モデルの部品を活用して回路の挙動を解析するツールである。

SPICE(=simulation program with integrated circuit emphasis)の名の通り、もともとはアナログIC設計のターンアラウンドタイムを短縮するための解析ツールである。日本には1970年前後に様々ななルートで米:カリフォルニア大学バークレー校から導入された。

SPICEを使いこなすには、各部品、特にトランジスタ、ダイオードのモデルパラメータの意味を少なくとも理解していなければならない。どのような挙動をどのような時間スケールで観測するかは、解析者が決める。解析者が決めるということは、解析に先だって、およその結果の予想を行えることを必要とする。

数10あるトランジスタのパラメータが回路特性に与える影響をあらかじめ試験回路のシミュレーションで把握して、本番に臨む必要がある。

スイッチング回路であれば、電流スパイクは多くの場合寄生容量の充放電時の波形である。電圧性スパイクは寄生インダクタンスの影響である。

インピーダンス素子が3個以上になると、手解析では極端に手間がかかり見通しも良くない。こんな時にSPICEが威力を発揮する。

アナログエンジニアは、解析にあたって使用する能動素子は形名には拘らず、大中小のトランジスタを選択し、モデルパラメータを徐々に変更していく。モデルパラメータで宣言しない項目はデフォルト値が入るので、デフォルト値が何であるかは知っておく必要がある。

SPICEは強力な解析ツールであるが、個別部品を用いた有効な実戦解析をしている方は少数派である。

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2009年11月20日 (金)

自作微圧計の思い出

1969年学園紛争が吹き荒れた頃、卒業研究で微圧計を手作りしたことがある。

測定原理は、ガラス管に張った薄いゴム膜と鏡の小片、投光器、2個のCdSを使い、ゴム膜外周よりの傾きを光てこで拡大、電気信号に変換するものであった。

感度は抜群で、ドアの開閉に伴う室内圧力や音声波形も捉える事ができた。周波数特性も1kHz程度はあったらしい。製作費は数100円。

高感度の割に、直径数mmの膜を使っているので、局所的な圧力変化波形も観測することができる。

薄いゴム膜の材質が天然ゴムであったので、数日でゴムが劣化する欠点があったが実験には差し支えはなかった。

この微圧計を用いて、水中への空気吹き込み時の圧力変化を詳細に解析した。空気流量は、泡式細管式の流量計を用いた。泡で空気の隔壁を作り、その移動速度をストップウォッチで計測するタイプのものである。

ストローをコップにつけて空気を吹き込むと、ぶくぶくと泡が出る。水と空気の界面には表面張力が働いており、泡が半球を超えると、泡が急激に膨らみ管から離れる。同時にあぶくは弾性球の振動ほ式に従って振動波形が認められる。

アナログエンジニアの原体験の一つである。製品を作るのでなければ、費用を掛けないで様々な実験ができるのだ。

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2009年11月19日 (木)

このブログのポリシー

Photo アナログエンジニア,私のブログタイトルであり,また私の本業でもある。

日常生活の記録の形式はあまり取っていない。

基本的にリンクによる引用,コメントは少ない。

では,何のためにこのブログを書いているか。

若いアナログエンジニア特にアナログ回路設計者への私の自己流の考え方を伝えるためである。

工学者の多くは,会社に所属して技術情報などに関する守秘義務を負う。退職したのちも同様である。

したがって,会社で得た情報は,会社の許可を得て公開した情報以外は書きにくい。しかし,今は技術士事務所を自営し,最低限の測定機材も持っている。自分の機材で取得できる,取得した実務的感覚・データを公開できるのである。

当面このスタイルを変えることはないだろう。

研究者ならともかく,理系人間の多数は会社に所属し実務的な多くの課題に立ち向かわざるを得ない。逆に大学などでは,論文ネタにならない活動は抑制される。したがって,アナログ電子回路のような泥臭いと言われる分野では,専門に研究なさっている先生方は実に少ない。

実務を知らないで,若い人にエンジニアとしての訓練を施すことができるのか。そこにアナログエンジニアの層の厚みと質の課題がある。

ポストドクの問題は承知している。しかし、社会は研究と教育だけで動いているのではない。企業のエンジニアは,多くの場合理論もさることながら,学際的な差し迫った課題の解決をしなければならないことも多い。そのニーズに「学」は答えているのだろうか。

また,アナログエンジニア不足を嘆く企業側にも,その責任の一端はあるだろう。アナログ技術者を黒子として使い捨ててこなかったか、疑問は残る。

そして、現実空間における多彩な現象を感じ取るのではなく、バーチャルの世界に子供たちを放置してこなかったか。高度なセンシング技術、電子機器に囲まれながら、その中身を知らない、知ろうとしない、知ろうとさせない社会に理系的な感性を持つ人間が育つ余地は少ない。

物は仕様書を描けばだれかが作ってくれるだろうという感覚では物つくりは成り立たない。子供たちは真に物を作る喜び以上に、厚遇されない職種に興味を示さないだろう。ここに理系離れの深刻さがある。

物つくりに努力し社会に何らかの形で貢献した,貢献できる人間の優遇策も必要であると考えるアナログエンジニアである。

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2009年11月18日 (水)

抵抗の電圧定格

電力定格だけではなく、抵抗にも電圧定格がある。

最近は小型のチップ抵抗が増え、電圧定格が数10Vの部品も多くなった。デジタル部では電圧定格が制約になることはほとんどないが、電源系を含むアナログ回路、とくに高電圧を扱う回路では、電圧定格がネックになって部品サイズを決めることもある。

電圧定格を超えると、抵抗の信頼性は保障されない。抵抗パターンの閃絡もあり得るし、部分放電による抵抗値の変化もあり得る。

高電圧抵抗は細長く大きい。実装時のプリント基板の絶縁距離を確保するためにも大きくなければならない。

抵抗の電圧定格は、最大の電源電圧より低くて構わないが、他の抵抗による分圧効果も考えると同時に1故障時の過渡電圧にも耐えるような設計が望ましい。相対的に大きな基板面積を占めるので、むやみに余裕を見ることも現実的ではない。もちろん高電圧と高速性は相反する項目である。

使用する抵抗値が決まったら、まず、電力低格をチェックする。電源電圧・電流が決まっているので、中間の抵抗のみを真面目に計算する。もちろん、抵抗の電力定格はディレーティングして用いる。

故障しない部品はない。悲惨な重大故障や連鎖故障を回避するためにも、コストの問題もあるがせめて1故障では連鎖故障にならないようにしたいものである。抵抗の電圧定格違反は見落とされがちな項目であるが、進行性の故障に発展する可能性がある。

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2009年11月16日 (月)

バイパスコンデンサ

通称パスコン。電源とGND(基準電位)の間に挿入する。

アナログ回路だけではなく、デジタル回路にも付加する。

部品の扱う電流と消費電流変化の速さに依存して、必要な容量値は異なる。リード線付きのコンデンサでは、品種、リードの長さ、太さによって寄生インダクタンスが変化する。

形状が小さいコンデンサほど、高い周波数まで電源バイパス効果を期待するので、素子の電源ピン近くに配置する。過渡電流は素子とコンデンサコンデンサで作るループを流れるので早い電流変化するループ面積を減らした方が効果的であるし、耐ノイズ性も向上する方向である。

コンデンサの周波数特性を比較してみれば一目瞭然であるが、同一品種なら容量値が小さいほど周波数特性が延びている。それで、必要に応じて、0.1μF前後のセラミックかフィルムコンデンサと数μF程度の電解コンデンサを並列接続で使うことがある。タンタルコンデンサは低インピーダンスとなる周波数が比較的広い。

電源回路は、電圧検出点で電圧を一定に制御しているだけで、電源回路電圧が一定であっても、部品のところで一定電圧になるとは限らない。寄生抵抗も寄生インダクタンスもある。遠くで消費電流の急峻な変動があると、その周りの電源電圧が変動する。

リード線付き部品で扱える周波数は数10MHz程度までである。チップ部品ならもっと高い周波数まで可能である。

電源パスコンは低インピーダンス回路なので、短絡故障モードのある電解コンデンサを使う際には焼損に留意する必要がある。一時、ヒューズ付きタンタルコンデンサが市販されていた。

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2009年11月12日 (木)

消火器のセールス

昨日、家庭用消火器のセールスがやってきた。キャッチフレーズは使用後の後始末が簡単な消火器。

値段を聞けば、通常の粉末消火器の3倍、泡消火器の数倍の値段である。なにか、コストパフォーマンスが変。

消火器は万一の時の備え、しかも有効期限がある。つかわないで有効期限が普通は来るのだ。しかも、新しい物を買えば消火器は専門店などに行けば引き取ってくれる。

消火器を使うような場面は一度も経験したことがない。万一の火災を消化するための、被害は大きいが使う確率の少ない保安装置だ。その時に、多少後始末が大変でも、担保しているリスクに比べて無視できる。

使用後の後始末が簡単で高価格なら、設置する目的上意味がない。有効期限が2倍で2割増しなら買う人もいるだろうが・・・。

せめて有効期限が2倍長く、1-2割増しの価格ならアピールポイントにはなるだろう。

当然、短時間の会話でお引き取りを願った。

これは、消火器の話であるが、基本機能はそのままに枝葉末節な高機能化の製品はいくらでも世の中にあふれている。

価格維持のためだろうが、コンシューマユースの製品では使わない機能や使ってみると十分こなれていない新機能を搭載した新製品だらけ。何か間違っているような気がする。

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2009年11月11日 (水)

コンデンサの基本式

コンデンサCの基本式は CV=Q (V:コンデンサの両端電圧V:Qは電荷)である。このときには、電圧Vの向きと電荷の正負は同じ方向に取っている。

電荷Qは、電流Iの時間積分値であるから、電圧の時間微分値に容量Cを掛けたものが電流値となる。この電流値の向きは、電圧と同じ方向に取る。

コンデンサの端子電圧は、電流の時間積分であるから、電荷の初期値が問題になるとともに、その電圧は着目する時間内には急変できない。

電圧変化が正弦波であれば、定常状態でのコンデンサのインピーダンスは1/(jωC)となる。90°位相が異なるので、虚数単位jが付加される。

コンデンサにおいても、電圧と電流の向きの認識はとても重要である。

他の物理式においても、向きや符号を無視して公式丸暗記の方が多く見かけられるが、この状態では応用問題を解くことは難しい。

実用的なコンデンサは、誘電体を使うので、例外を除き温度係数は意外に大きい。

また、コンデンサのみの直列接続は、誘電体の漏れ電流を考えると不定になる。各コンデンサの電圧分担が現実的には確定しない。コンデンサは通常は直列接続すべきではない。

電子回路では一般的な部品であるが、信頼性を保ってその容量値を定数と考え得る状態には実用的にはない。抵抗部品は比較的理想的にオームの法則に従うが、コンデンサはCV=Qの基本式のみではなく、コンデンサとしての2次特性への関心が不可欠である。

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2009年11月10日 (火)

ピンチ抵抗

ピンチ抵抗は、拡散プロセスで作る抵抗で比較的高いシート抵抗が得られる。

その構造は接合型FETとトポロジー的には同じなので、電圧依存性を持つ。浅い拡散と薄い絶縁膜で作ればFET特性になる。通常のアナログバイポーラプロセスでは、数10kΩ程度の抵抗を作るために用いられる。

この抵抗は電圧が高くなるにつれ、定電流的(抵抗値が高くなる)になるので、たとえば、カレントミラー回路に使い、オペアンプ回路全体の消費電流を決定する部分に使う。

ピンチ抵抗を用いれば、オームの法則に従う抵抗に比べ、消費電流の電源電圧変化の小さい性能が得られる。通常は、チャネル部に相当する部分にアルミ電極をつけて抵抗値を調整する。

MEMSで使われるピエゾ抵抗は通常ゲート電極を持たない拡散抵抗で作られる。ゲート電極のアルミ膜を付けると、アルミとシリコンの熱膨張差で温度によるヒステリシスが生じやすいからである。センサとして用いられるピエゾ抵抗は、ゲージファクタが100前後と大きいが小ひずみを測定する場合もあるのでppmオーダーの安定性が必要である。

ゲート電極のないFETは、通電とともにゆっくりと酸化膜表面の電位が安定状態に向かうので、非常にゆっくりとしたドリフトとそのドリフトの温度依存性が認められる。

この対策には、抵抗部の酸化膜の電位を固定してやればよいので、蒸着プロセスとエッチングプロセスを追加することになる。

MEMSセンサにおいて、構造物の微小化に伴い、浅い拡散あるいはイオン打ちこみによる抵抗体の形成と薄い酸化膜の使用は必然となる。ますます、FET効果は顕著になってくるだろう。しかし、安価な用途では、これらのドリフトを消去することなく通常プロセスで作られているであろう。

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2009年11月 9日 (月)

インダクタンスの逆起電力

私は「逆起電力」という言葉が嫌いである。

逆起電力という言葉は、インダクタンスの電流をスイッチングした時「逆起電力」という一定の電圧の発生を想起させるととともに、インダクタンスをスイッチングした時、電圧主導で回路状態が決まるかの表現になってしまうからである。

①実際には、インダクタンス電流は急変できないので、回路図に描いてなくとももっとも流れやすい経路=電圧降下の少ない経路に流れる。

②そして、その経路の電圧が決まると、V=L・dI/dtで電流の減少率が決まる。

③電流Iの変化は②を時間的にたどれば、図表化できる。定量化できる。

ここで注意しなければならないことは、②でポテンシャル量である電圧の向きとフローである電流の向きを反対に取っていることである。

スイッチングの瞬間にインダクタンスを短絡するなら、電圧は外部には発生しない。

よくあるインダクタンスのスイッチング事例の不良事例として、コレクタ(ドレイン)負荷のインダクタンス電流を切ったときに続流の経路を確保しない例がある。、この場合はC-E耐圧よりも高い電圧の平坦部(コレクタ耐電圧の実力値)が出るとともに、原則として信頼性は保証されない。

アナログエンジニアは電流の切り替え経路を明示しないインダクタンスのスイッチング回路の図表を好まない。正確な理解を妨げる。

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2009年11月 6日 (金)

現場100見?

若い頃、なにかトラブルがあると上司に、あるいはその上司に現場を見てこい、実物を見てこいと何度も言われた記憶がある。

アナログエンジニアは、こと電子機器に関しては「百聞は一見にしかず」に組みしない。ソフトウェアも似たようなものだ。

現在の装置は複雑で、見ただけではわからない。予備知識を持たないで、装置の問題点解決の糸口が判るほど単純ではない。頼りになるのは、トラブル関連部位の図面などドキュメント類である。

それらの書類から、まずは、動作原理を理解し、次に設計上課題となる項目を絞り込んでいく。場合によっては、自社製品を再解析する。見所を把握した上で、現場、現物を見る。

私ならこうすると思った形になっているか、違っていたら、どのような設計方針ならこの形になるのか考える。

使用材料、部品に関しても、知っている材料、部品なら見ただけで判別がつくこともあるが、普通は判らない。この辺りも事前調査が必要である。

なのに、多くの会社では現場主義がいまだに、はびこっているような気がする。

電子回路で言えば、回路のブロック線図、部品の仕様書、実回路図、そして最後に実装状態である。

装置が複雑化する中で、旧来の現場至上主義、現物至上主義は通用しない。

特にトラブルシューティングの場合には、限られた時間で、多くの制約の下で原因究明と対策案を考えなければならない。現状把握が重要である。現状の大半の情報は図面、ドキュメントに含まれる。従って、私は、予備知識なしに現場へ出かけることは少ない。

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2009年11月 5日 (木)

東京でのアーチェリー事故

昨日、東京でアーチェリーの矢が同級生に刺さる事故が報道された。

生徒Aが矢取りに行く途中、他の一人BがAに向けて矢を番え誤射したらしい。

アーチェリーの基本マナーは、「射線の前方には立たない。前方に人がいるなら弓を下す」である。

アーチェリーは武器由来のスポーツであり、矢の威力は競技用の弓ならその威力は拳銃にも匹敵する。

この事故にはいくつかの問題がある。

まず、生徒Aが生徒Bに矢が残っている間に矢取りに前方に出たことである。普通は全員が6射し終わるまで、射線の後方で待機する。

生徒Bは複数の安全マナー違反を行っている。人が前方にいるときに矢を番えて引いたことだ。しかも、人の方に向けて引いている。

通常、アーチェリーでは素引き(矢を番えないで引く)場合であっても、人の方に向けて引かない約束だ。ゴム引きであっても人の方角に向けて引くことはない。

全日本アーチェリー連盟に所属している高校生とのことであるが、このマナーは知っているはず。高校のアーチェリー部所属の2人だそうだが、あまりにも不安全行為である。

矢が最も安価なカーボンファイバー製だとのことなので、初心者か、射場の道具を借用してのプレーであったのだろう。

アーチェリーは人力で引くので暴発の危険性は少ない。

この事件により、きちんとした施設できちんとしたルール・マナーで楽しんでいる一般アーチャー・競技者への影響を懸念する。

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2009年11月 4日 (水)

ブラックボックス化の進行

工学分野において、ブラックボックス化の進行は著しい。外部から技術の中身が見えなくなってきて久しい。

身の回りにはハイテク製品があふれている。マイコンの出現により、その内部では複雑で膨大ななソフトウェアが陰で動作している。しかも、その技術的背景は特許等による以外、垣間見ることは少ない。

電子回路で言えば、超LSIを頂点に、LSI、SSI、個別部品とブラックボックス化のレベルが低くなる。SSIレベルまでは、内部の等価回路が開示されていた。LSIになってからは、ブロック線図が開示されていれば、まだましな方だ。大抵は、接続部品やピンの機能のみが分厚い資料に記載されているに過ぎない。

真空管TV時代には、内部回路図が添付されており、子供心にもその複雑さとともに、回路を組んでみたいという願望も芽生えていた。技術の内部、原理の説明も多くあった。

今では、製品の設計者以外は、多くの人は使う立場でしかない。原理がこうだから、このような操作をすればよいという感性は働かない。ソフトウェアが介在しているので、機器の操作は取り扱い説明書を熟読するか、操作してみて結果を覚える以外良い方法がない。

団塊世代はおそらく工学をブラックボックスとしてみない最後の世代だろう。電子回路工学では真空管から超LSIまでの変遷を見た世代でもある。

見せない技術の中で育っていく若者たちに、魅せる技術を伝えるためにどうすればよいか重い課題である。

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