インダクタンスの逆起電力
私は「逆起電力」という言葉が嫌いである。
逆起電力という言葉は、インダクタンスの電流をスイッチングした時「逆起電力」という一定の電圧の発生を想起させるととともに、インダクタンスをスイッチングした時、電圧主導で回路状態が決まるかの表現になってしまうからである。
①実際には、インダクタンス電流は急変できないので、回路図に描いてなくとももっとも流れやすい経路=電圧降下の少ない経路に流れる。
②そして、その経路の電圧が決まると、V=L・dI/dtで電流の減少率が決まる。
③電流Iの変化は②を時間的にたどれば、図表化できる。定量化できる。
ここで注意しなければならないことは、②でポテンシャル量である電圧の向きとフローである電流の向きを反対に取っていることである。
スイッチングの瞬間にインダクタンスを短絡するなら、電圧は外部には発生しない。
よくあるインダクタンスのスイッチング事例の不良事例として、コレクタ(ドレイン)負荷のインダクタンス電流を切ったときに続流の経路を確保しない例がある。、この場合はC-E耐圧よりも高い電圧の平坦部(コレクタ耐電圧の実力値)が出るとともに、原則として信頼性は保証されない。
アナログエンジニアは電流の切り替え経路を明示しないインダクタンスのスイッチング回路の図表を好まない。正確な理解を妨げる。
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