このブログのポリシー
アナログエンジニア,私のブログタイトルであり,また私の本業でもある。
日常生活の記録の形式はあまり取っていない。
基本的にリンクによる引用,コメントは少ない。
では,何のためにこのブログを書いているか。
若いアナログエンジニア特にアナログ回路設計者への私の自己流の考え方を伝えるためである。
工学者の多くは,会社に所属して技術情報などに関する守秘義務を負う。退職したのちも同様である。
したがって,会社で得た情報は,会社の許可を得て公開した情報以外は書きにくい。しかし,今は技術士事務所を自営し,最低限の測定機材も持っている。自分の機材で取得できる,取得した実務的感覚・データを公開できるのである。
当面このスタイルを変えることはないだろう。
研究者ならともかく,理系人間の多数は会社に所属し実務的な多くの課題に立ち向かわざるを得ない。逆に大学などでは,論文ネタにならない活動は抑制される。したがって,アナログ電子回路のような泥臭いと言われる分野では,専門に研究なさっている先生方は実に少ない。
実務を知らないで,若い人にエンジニアとしての訓練を施すことができるのか。そこにアナログエンジニアの層の厚みと質の課題がある。
ポストドクの問題は承知している。しかし、社会は研究と教育だけで動いているのではない。企業のエンジニアは,多くの場合理論もさることながら,学際的な差し迫った課題の解決をしなければならないことも多い。そのニーズに「学」は答えているのだろうか。
また,アナログエンジニア不足を嘆く企業側にも,その責任の一端はあるだろう。アナログ技術者を黒子として使い捨ててこなかったか、疑問は残る。
そして、現実空間における多彩な現象を感じ取るのではなく、バーチャルの世界に子供たちを放置してこなかったか。高度なセンシング技術、電子機器に囲まれながら、その中身を知らない、知ろうとしない、知ろうとさせない社会に理系的な感性を持つ人間が育つ余地は少ない。
物は仕様書を描けばだれかが作ってくれるだろうという感覚では物つくりは成り立たない。子供たちは真に物を作る喜び以上に、厚遇されない職種に興味を示さないだろう。ここに理系離れの深刻さがある。
物つくりに努力し社会に何らかの形で貢献した,貢献できる人間の優遇策も必要であると考えるアナログエンジニアである。
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