パワー半導体
←枯れ遅れたドウダンツツジ。今週末辺りには散っているだろうな。
電子機器のパワー半導体はチップサイズが大きく、その動作により熱サイクルを受ける。
強固に銅合金とチップを接続すれば、接続部が熱応力で疲労破壊を起こす。
導電性接着剤でチップを接続(ダイボンディング)すれば、高熱に耐えないか、接着部の繰り返し変形により、そこが損傷する。
トランジスタのドレインあるいはコレクタはパワー半導体では放熱効率を確保するため銅合金にダイボンディングされるが、シリコンと銅合金の膨張係数差で大きな熱応力を受ける。
大きなチップほど厳しい。メーカーによるが現在のチップサイズは10mm□前後がクリティカルな大きさだろう。
昔は、パワートランジスタには寿命があるとして設計していた。ダイボンディング部が熱疲労により剥離し、熱抵抗が大きくなる現象だ。
強電用のウェハーサイズの素子は、高価な低膨張金属を使用して素子を挟みこみ、ウェハーを滑らせて熱応力を逃がす。
弱電用素子はそんな構造は取れないから、熱疲労の制約で多少の差はあってもチップサイズに上限がある。
プリント基板搭載でも熱応力は生じているが、巧みな端子設計などでこの問題を回避している。
異種材料の共存は常に熱応力との戦いになる。回路的にはパワー素子の並列運転で大容量化を目指す。
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