非直線性の多項式近似
非直線性とは、入力に比例する出力を期待するセンサなどにおいて、原点(0%)と100%点を結ぶ直線からの最大の乖離の量である。
原点を調整した後、感度(1次式の勾配)を調整すると、干渉なく調整ができる。
非直線性の補正は、通常、X^nの形の多項式で近似するが、この方法だと、近似次数に依存して高次項の係数値が大きく変動し、かつ100%点と干渉する。
Xの変域を0-1として、2次の非直線性補正量をk2・X(X-1)とする。X(X-1)は両端0と1で0、0.5で最大値0.25をとる関数である。この関数を補正に用いると、0、1は不動点になる。
同様に3次までの補正を行うには、X(X-0.5)(X-1)の関数をつかう。
この関数は、0.213と0.787で極値をとり、この点でK3の値を調整すれば最良近似となる。
4次以上では、X(X-0.213)(X-0.5)(X-1)と5次X(X-0.213)(X-0.5)(X-0.787)(X-1)などで近似していく。
この方法の利点は、ゼロ、スパン(感度)、非直線性の調整が干渉せず、1回の校正で調整が終了するとともに、必要なデーター点数が少ないこと、高次項が安定で、近似次数によらず低次の次数から順次係数が定まっていくことである。
この方法をアナログエンジニアは実践で幾度か使用している。ルックアップテーブル方式と比較して、著しくデーター量が少なくて済む。
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