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2010年1月14日 (木)

電流波形の測定

スイッチング電源などでは電流波形の測定が、素子の動作状態の把握に不可欠である。しかし、電流波形の測定には前準備が必要である。しかも、測定のため挿入する抵抗の寄生インダクタンスが小さくなければ、測った波形が真実とは限らない。

強電のようにクランプオン電流プローブの接続などは、結構大きなクランプをするための線を引きださねばならない。従って、アナログ回路では値も形状も小さな抵抗を配線パターンを切って、挿入する必要がある。

では、アナログエンジニアはどうしているか。

1Ω3W程度の巻き線抵抗をほぐし、マンガニン線をとりだし、パワーFETのソース・GND間に短い素線をはんだ付けして、その端子間電圧をオシロスコープで観測するのである。素線に電流を流すと赤熱する程度になる。はんだの溶融一歩手前だ。これなら、測定のために付加される寄生インダクタンスは最小化できる。ただし、抵抗値が判っていないないので、別の手段で必要に応じ値付けする。

寄生インダクタンスがあると、波形の急峻な部分が強調されるが、この方法なら比較的真実らしい波形が観測できる。

たかが、電流計測であるが、10A200KHzクラスのスイッチング波形となるとうまい方法がないのだ。

計測には、計測に伴う影響がある。もっと高周波になるとこの方法でも信頼に足る波形を取得することは困難だろう。

電流を測れない、測らない回路エンジニアも少なからず存在する。

より、真実に近い波形を観測することにより、終焉回路の寄生素子をモデル化できる場合もあるのだ。

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電子回路」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。
数年前から興味深く拝見させていただいております。

電流波形の観測ときいて学生時代を思い出しました。
ハーフブリッジの貫通電流を測定するため、抵抗による電流検出を行ったことがあります。

1センチの長さの抵抗でもスイッチングノイズを拾ってしまうため
50mΩの板型抵抗を2つに折って端子間のループを減らし、
2本のプローブをGND線も含めて束ね減算処理をして
やっときれいな波形が取れたのを覚えています。

ソース電流はゲートの充電電流も重畳されてしまうため
ドレイン電流を測定しました。

電流波形の測定は各自で工夫されているようですね。

nisさん おはようございます。

高速の電子回路の電流波形の観測は結構難しですね。電子回路としては大電流と制御用微小電流が共存するのでS/Nよく測るには工夫が要ります。
ホール効果を使った電流計測は電子回路では使いにくいです。
結局オームの法則に頼って計測することになるようです。そのためには抵抗が必須。小形で大電力の抵抗がないので、わたしは波形と絶対値を別に計測するケースがほとんどです。

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