フォト
無料ブログはココログ

このブログについて

  • 著作権の扱い方
    著作権はコメントを含めて投稿者に帰属します。投稿者本人が著作権をもち、責任も持つという意味です。 リンクはご自由にして構いません。 原則公開です。 批判も含めてコメントは公開いたしますが、営利目的などの記事は、管理者権限で削除することがあります。コメントは管理者の承認後、反映されます。 ただし、TBは現在許可していません。

著作

  • 共著:「次世代センサハンドブック」培風館(2008)、「マイクロセンサ工学」技術評論社(2009.8)
  • 連絡先
    私への講演、セミナー、技術指導などのご依頼はこちらまで↓ okayamaproあっとまーくyahoo.co.jp  あっとまーくは半角の@にしてください
  • 単独著
    アナログ電子回路設計入門 (1994.12)、コロナ社: 実践アナログ回路設計・解析入門 (2005.1)、日刊工業: オペアンプ基礎回路再入門 (2005.7)、日刊工業: ダイオード・トランジスタ回路入門 (2005.12)、日刊工業: スイッチングコンバータ回路入門 (2006.9)、日刊工業: これならわかるアナログ電子回路基礎技術 (2007.6)

専門とする事項

  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

Twitter

新刊

  • 岡山 努: アナログ電子回路の基礎と入門!これ1冊

« ノーマリオン/オフ | トップページ | プラスチックの線膨張 »

2010年1月28日 (木)

リコール

最近、相次いで大規模リコールが報道されている。リコールまでいかなくとも販売中断が報道されているケースもある。

車関連ではF社の車速制御の発火、T社はアクセルペダル関連で大規模リコール、その前にフロアマットの不具合、家庭用機器ではP社のカーペットヒーター、N社の携帯のソフト不良など多数。少し前にさかのぼればM社のリコール隠しなどもある。

T社の場合、リコールと販売停止が同時に行われている車種もある。リコール発表時に対策が公表されないのは珍しい。

アナログエンジニアは改修発表前に、少数トラブル事例に対して全社を挙げてその原因究明を行い、危険度を評価するとともに対応策を早急に取りまとめるのが普通のやり方と思っていた。

使用材料からみの不具合や、マイコン・ソフトを含む装置の対応は難しい。どちらもすべての装置に不具合が発生するとは限らないし、間欠性で再現性に乏しい不具合が多いからである。

しかも、拙速な対応は傷口を広げる可能性もある。

当然、それなりの信頼性試験をやっているだろうが、この不景気の中、求められるスピードで新製品を出すためには加速試験とタンパー試験に頼らざるを得ない。

しかし、加速試験の故障モードと実時間での故障モードが一致するとは限らない。ここが信頼性試験の難しい部分でもあろう。

電子回路部品では、アルミ電解コンデンサの電解液を新しい材料に変更したとき、各社ともフィールドでは短寿命となり大騒ぎになったこともある。

大量生産品では、その出荷台数に応じて信頼性を高めなければならないが、様々な環境、ストレス下での実使用信頼性を確保するにはサンプル数と時間がかかる。

設計者の立場でいえば、電子回路屋であってもたとえばメカの強度、耐腐食性、ソフトの基本を知らなければ、信頼性を作り込むことができないのだ。

研究と物つくりはこの意味で大きく異なる。設計責任者は基本的に無限責任なのである。

なお、本稿は限られた経験しか有しない一介の開発設計者の私見に過ぎません。

『人気Blogランキング』の「自然科学」部門に参加しています。今日も貴重な応援の1票をよろしくお願いします。【押す】

« ノーマリオン/オフ | トップページ | プラスチックの線膨張 »

工学」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: リコール:

« ノーマリオン/オフ | トップページ | プラスチックの線膨張 »

2021年11月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

現在のランキング