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2010年1月15日 (金)

圧力差で計測できる量

圧力差(差圧)で間接的に計測できる量は数多い。

速度計:ピトー管で航空機などの流体中の速度を動圧と静圧の差から計測する。

流量計:オリフィスやベンチュリー管と組み合わせて流量を差圧に変換する。オリフィスなどは、ドイツのDIN規格由来の規格により、流量→差圧の変換係数は式あるいは表で与えられ、差圧が正確であれば実校正をする必要はない。

液面:自由液面を液圧=密度×加速度×水深から求めることができる。この場合は、液面が2つの差圧取りだし口の間にある必要がある。

密度:2つの差圧取り出し口の間の液圧を差圧として計測する。この場合は、2つの差圧取り出し口の間は流体に満たされていなければならない。

圧力:大気圧基準のゲージ圧、真空基準の絶対圧ともに測定できる。差圧取り出し口の一方を大気開放にすればゲージ圧、真空にすれば絶対圧の計測ができる。

差圧計は温度を除く主な工業量の流量、圧力、液面を計測できるので、工業計測の主戦場であった。また、高度成長期では次々に種々のプラントが建設され、技術的にも当時は先端技術であった。当時は、空気式のプラント制御から電子式への移行期でもあった。

若い頃のアナログエンジニアは差圧計に深く係わった。

人体と猫を区別できる防犯センサはないように、物理現象として環境を整えて基本量を計測する。それが多くのセンサの実態である。

測定原理・構造を理解することなく、センサを使えばいつかは系統的誤謬に見舞われる。

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工学」カテゴリの記事

コメント

こんばんわ 5513さん
間接的に正確な測定って意外と多いのですね。
ただ、測定原理を正確に理解しようとすると、やはり式と事例から得るのが早いと考え日々、本とテスト結果をむさぼっています。(゚▽゚*)

入門者にゅーきち さん、おはようございます。
直接測定できる量は案外すくなく、基本的な量を測るセンサを利用しての測定が広く行われています。
センサの種類・用途は多様で、もはや、一人の著者では、特定の分野のセンサしか記述できません。
しかも、センサは開発した人、使ったことのある人しか知らない技術的な課題も多くあります。

こんばんわ 5513さん
返信ありがとうございます。
たしかに、センサ屋さんがまわりにいますが、それぞれ得意なセンサが違っていました。
ただ、磁気式センサに強い人が少ないと感じています。
マイコンなどで、正確な量を測定しようとすると、校正値をマップで保持して補正させる手法の他に、ROMを持たないで運用させる事ができないか考えています。
(*^-^)

入門者にゅーきち さん おはようございます。
磁気センサと言えばホール素子が有名です。ホール素子なら、E=RH・B・I・sinφ/dが基本式で、ホール定数RHは細かく見れば電流Iと温度の関数になっていると思います。測定電流Iと出力Eの積項を作れば、RHの感度の非線形項を大幅に補正できます。
オフセットの補正が先ですが、オフセットは温度依存性があると思われます。オフセットの補正は常温および異なる温度で線形補正すれば改善できます。
ROM補正ですと、大量の校正点データーを必要とするので、一般に校正コストは上昇し、(全アナログ補償に比べ)ハードコストは下がると思います。
磁気抵抗素子はもともと非線形なので、減算と開平演算が必要かと思います。

初めて読まさせて頂きました。圧力差で図るものは速度計のみ知っておりましたが、他は全くしらないものでした。定期的に読んで行きたいと思います。

こんばんわ。5513さん
返信ありがとうございます。
理解して返答できないのが悔しいですが、センサによって適切な補正手法が存在するという事なのですね。
私はどんなセンサでもオフセット補正と非線形特性はMAP、線形特性のみ2点ぐらいの線形補正と誤解していました。
非線形特性についても基本式をよく理解していれば、演算での補正ができることは非常に勉強になりました。(゚▽゚*)

テシモシさん おはようございます。
センサに使える原理はたくさんありますが、物理・化学現象で選択性と扱いの容易性から、基本的なセンサは限られてきます。
使う環境、測定対象・精度など同じ原理でも、センンサとしての構造はかなり違ってきます。
今後ともよろしく。

入門者にゅーきち さん おはようございます。
MAP補正方式ですと、関数形を把握していない分、校正点が著しく増えます。
センサの原信号はアナログなので、基本性能はアナログで決まります。
過去の履歴、ヒステリシスや不感帯があると、関数補正の方が有利と思っています。
センサには経年変化がありますので、寿命期間中の校正も課題になるでしょう。

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