信頼性試験
たとえば電子部品の信頼度は良質な部品なら数Fit(1Fit=10^-9×コンポウネント×時間h)で程度である。加速試験でなければ、10^4個の部品を10年間試験して、故障率を実験的に確かめられるオーダーだ。
部品の信頼性が高まっている現在、加速試験に頼らなければ事前に部品の信頼度を確かめることはできない。
化学反応や拡散現象が支配的なら、Arrhniusの経験則にに従い、電子部品なら活性化エネルギーの関係で約2倍/10℃程度加速できる。実際に試験できるコンポーネントアワーではかなり高温で試験してしかも故障判定レベルを厳しくして加速率を上げることになる。そして、アウレニウスプロットを行い外挿により故障率を推定することになる。
問題は、加速係数が判っていないことが多いので、温度を変えて試験することになる。温度を上げているので、実使用条件の故障率と対応するとは限らない。部品のストレスは温度だけとは限らない。電圧、機械的ストレスもあれば塵埃や潤滑に起因するものもある。
そもそも故障率を定数とみなすことができるのは、指数分布の時などだけだ。
ワイブル分布で形状母数mが3-4のときには摩耗故障である正規分布と普通区別はつかない。
確かな部品メーカー品を選ぶとともに、精密な設計を行うことが早道である。
アナログはデジタルに比べて故障率が一般に高いとされる。アナログは部品の能力をきちんと把握した設計なら、高い信頼度を過酷な環境でも達成できる。そのためには、実時間で進行するフィールドデータのフォローは欠かせない。
集積回路になれば、信頼度データはメーカー任せになる。そのメーカーの信頼度データですら、0故障のデータとコンポーネントアワーから60%信頼水準での推定値であることが多い。
アナログエンジニアも自分の設計品の信頼度数値を持っているのは数少ない。
同一部位の故障が複数回生じれば、部品が悪いか設計がに弱点があるか疑って改善する必要があるだろう。
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