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2010年2月10日 (水)

シュミットトリガの解析1

エミッタ結合シュミットトリガを例に、正帰還を伴う2石トランジスタ回路の解析と設計の流れを辿ってみましょう。

0004_2

回路図を見ると、入力が十分高ければQ1がONになり、その結果b点電圧はa点電圧より低くなります。この状態でQ2はオフです。この条件を満たす電圧はa点より、入力電圧が約0.6V高いときに生じます。

(1)入力電圧を高い方から下げると、Q1のコレクタ電圧が上昇してくる電圧があり、b点電圧がa点電圧より約0.6V高くなるとOFFであったQ2に電流が流れ始めます。a点電圧が上昇するのでQ1のB-E電圧は入力が一定でも、一瞬にしてQ2はONになります。

(2)逆に入力を低い方から上昇させると、入力がa点電圧より約0.6V高く、Q2がONの時に遷移が生じます。Q1のコレクタ電圧が低くなるとb点電圧が下がる結果、Q2の電流が減少し、a点電圧が下がります。すると、Q1のVBE電圧は大きくなり、Q1がON、Q2がOFFの状態に短時間で遷移します。

a点電圧が変動するので、往路と復路の遷移点は異なります。

この回路の入出力特性を下図に示します。

0003_2

横軸が入力電圧、縦軸が出力電圧です。

この回路の設計とは、上記の定性的な検討を基に、特徴点である上図の①~④の点を各抵抗と電源電圧の関数として求めることが設計の第1段階です。

①の点はQ2がON、Q1がOFFの点ですから、飽和電圧を0として簡略化すれば

出力電圧VO=Vcc×R2/(R2+R5)となります。

②の点では、Q1がOFFなのでb点電圧=Vcc×R4/(R1+R3+R4)で、電流がQ1に流れ始める電圧は、この計算に約0.6Vを加えた値となります。

③、④の点はもっと複雑で、連立方程式を解く必要があります。

シュミットトリガ回路は2石でも、正帰還がかかるうえ抵抗の数が多いので結構複雑になります。どこまで文字式で解析するかは目的次第です。しかし、回路動作の定性的理解から設計までのプロセスを知るためには、解析過程がどうしても必要になります。

本稿 続編があります。次回UPする予定です。

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