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    アナログ電子回路設計入門 (1994.12)、コロナ社: 実践アナログ回路設計・解析入門 (2005.1)、日刊工業: オペアンプ基礎回路再入門 (2005.7)、日刊工業: ダイオード・トランジスタ回路入門 (2005.12)、日刊工業: スイッチングコンバータ回路入門 (2006.9)、日刊工業: これならわかるアナログ電子回路基礎技術 (2007.6)

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  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

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2010年2月

2010年2月28日 (日)

チリ大地震

昨日チリで大地震が起きた。報道ではM8.6-8.8の規模。震源地は1960年の地震に近い。

1960年の地震による津波を三重県の伊勢湾口の故郷で、高台の中学校舎から目撃した。川が逆流し、舫いの切れた小舟がくるくる回りながら、上流方向へ流されていく。その後、今度は激しい引き潮。

この津波の後、浅海の海底の様子が変わったらしく岸から釣れる魚の種類が変わったとの記憶が残る。

今度の地震はマグニチュードで1違うから、エネルギーでは前回の1/30程度で1mが予想されているが、実際の津波の波高さは地形によってかなり違うから、今日の昼前後は海岸に近付かないことが肝要。

地球の反対側からの津波が1日かけてやってくる。

マグニチュード2の違いで、地震エネルギーは1000倍違う。

観測はできないだろうが、マグニチュード(-2)のエネルギーは強い洋弓の矢の運動エネルギーとほぼ等しい。

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2010年2月26日 (金)

センサの実験手法

センサの実験をするために、まずセンサの信号処理回路を校正しておくのが第一。

ダミーのセンサを作成し、エレクトロニクス部分をモジュールごとに性能と安定性などを確認する。センサ回路を測定器として使用するためである。

次に、センサと回路を接続し、本番のセンサ特性を測定する。

最初になにをするか? 起動した後、何もしないでしばらく出力を見ながら放置しておく。ゼロ信号時の安定性を見るためである。放置時間はデーターがほぼ安定するまで。

次に計測範囲の上限の物理量をセンサに加える。その状態をしばらく維持。ドリフトを見る。そして、再び物理量をゼロに戻す。これで、ドリフト量とヒステリシスの程度が判る。

ここからが工夫のしどころ。アナログエンジニアはいつも望む特性を想定し、理想特性からのずれを意識的に見ている。山も掛ける。センサ出力が物理量の1次関数と予測できる場合には最低0-50-100-50-0%のシーケンスを複数回行う。2次関数が予想される場合にはさらに間の点も取る。

測定の間、温度環境は極力一定に保つ。そして、放置実験で得た安定までの時間よりすこしだけ時間を掛けて各条件でのデータを取る。常に、少しずつ余計な点を測定することと、ヒステリシスが観測にかかるようにしてデータを取得する。

次の段階で、恒温槽を用いて同じように温度試験を行う。ここからが、センサエレクトロニクスにとって勝負どころ。温度補償を行うか否かも考える。

概してセンサの試験では、センシング対象の物理量がどこまで正確であるかその確度は常に意識しなければならない。案外これが難しく手間がかかる。

以上の手順は、比較的素直なセンサの場合の実験手順。もっと複雑で測りにくいセンサも多数ある。

実験はその場でざっとデーターをグラフ化する。それも、塗装特性からの偏差をグラフ化するのだ。最近のエンジニアはリアルタイムでデーター処理をせず、オフラインの表計算ソフトを使いたがる。これでは一度きりかもしれない異常現象の把握はできないだろう。

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2010年2月25日 (木)

SW電源波形

標準的な回生巻き線付きフォワードコンバータの電圧波形を考察する。

主SWのドレイン電圧波形はOFF直後、電源電圧の2倍強まで上昇する。励磁電流を回生巻き線により回収しているので、その時の電圧が電源電圧に加算される。この期間は回生動作が行われている時間継続する。

ついで、電源電圧の2倍強の電圧上で前縁に減衰振動波形が普通生じる。寄生インダクタンスと寄生容量の共振であり、パルストランスの結合係数が1未満(たとえば0.995)であるので、ドレインに直列に小さなインダクタンスが入る。スナバである程度軽減できる。

回生時間が終了すると、なだらかに電源電圧まで戻る。このとき回路はハイインピーダンスになっているので、D-S間容量の影響を受けている。

オン期間のオン電圧は、FETのオン抵抗と電流値で決まるので、わずかに右上がりである。

電流波形はもっと直接的で、オン直後からほぼ線形に電流が増え、オン期間終了後は回生電流が線形に減少しする。オン直後は励磁電流+出力電流の1次側換算値の和となる。

電流波形もふつうスパイクが前縁に発生する。これも寄生容量の影響だ。

立ち上がり時間はSW速度を反映する。

どこまでの波形を測定者が特徴点として把握するかは、測定者の技量に依存する。アナログエンジニアは意味のないSW波形はないと考えている。波形をスケッチさせれば、初学者がどのように波形を認識しているか一目瞭然である。

電圧波形を観測するだけでも、慣れてくればトランスのでき具合や寄生素子の大きさまである程度把握できるが、実装の影響もかなりある。

寄生容量と寄生インダクタンスを考慮して回路シミュレーション波形と比較すれば大まかな寄生素子の位置とその大きさを推定できる。

動作原理を良く理解して、寄生素子の影響まで考えることが良い設計に繋がる。しかし、設計の優先度は相反する1-2次間容量とトランスの結合率を勘案して、パルストランスの巻き線構造を工夫する。

絶縁型DC-DCコンバータは非絶縁のDC-DCコンバータに比べその設計はより複雑になる。

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2010年2月24日 (水)

否定の証明

ある故障モードが存在しないと無条件で断じるのは、人知を超えた領域での証明が必要だとアナログエンジニアは考えている。

たかだか部品数がおよそ100点のセンサシステムで、実際に短絡・混触・開放モードの故障をしても、回路内部に規定を超えるエネルギーの蓄積や高温部が生じないという証明をしたことがある。前提は、規定の要件と幾何学的配置を満たす部品のみが短絡しないというもの。同時2故障まで考慮する。(本質安全防爆)中間的故障は考えない。1故障が機器の動作で発見できる場合は、明示される故障として探索の範囲を絞ることが許される。

このときは単純には100万通り以上の故障パターンがあり、その中で除外できる事例を省き、危険なモードで壊れない部品を頼りに故障モードを丹念に辿る。それでも数万事例が検討対象であった。

後に規定が変わり、中間的故障も考慮することが求められ、やむなく回路全体を樹脂でカバーし、混触防止と表面温度を下げた。いかなる場面でも絶対はあり得ない。想定外との言い訳も許されない。

自然界の情報を得るにはセンサが必要で、自然界に働きかけるにはアクチュエータが必要である。多くの家電熱器具では複数のセンサを用い暴走だけは多重保護している。

「安全神話」は必ず崩れる。事故の隠ぺいにもつながりかねない。判明した時にはその反動が大きく不信を招く。原子力施設もそうだ。

温度センサの破断によりNa漏えい事故を起こした高速増殖炉は、事故から14年の歳月を経て再び起動に向けて歩みだした。今度は、想定外のトラブルがないことを祈る。

安全証明は前提を置かなければ技術的には不可能ではないか。これは、原子力関係に限ったことではない。制御コンピュータの万能ではない。膨大な数のトランジスタと複雑なソフトウェアに支えられた制御システムにおいても、故障は生じえる。単純な保安システムでより安全性を高めることが強く求められる。

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2010年2月23日 (火)

集積回路時代のアナログ

アナログ回路で低電圧・高速なら数量のでる分野はASIC化あるいは汎用回路として集積化が進んでいる。

カスタムICを開発できる数量のでない製品だと、汎用ICと個別部品を組み合わせて回路を構成することになる。IC化された部分は、技術資料を頼りに回路定数を決めていくことになる。そして、IC化された部分はブラックボックス化されていく。

アナログ回路設計が半導体メーカーに集中されていく。

マルチチップなら、パワー系と駆動回路を纏める事ができる。

したがって、一般の会社でアナログ回路設計者が存在感を示せるのは、ICが不得意な回路:高電圧がからむ回路、特殊な制御回路、微小電圧、微小電流回路を扱う時などであろう。

これらの回路は初学者には難しい回路である。その結果、アナログを目指す新人が減る。経営者/管理職のアナログへの関心が薄れてきている。しかし、機器の基本性能を決めるのはアナログ回路である。

アナログ回路の開発には時間がかかる。デジタルの様にはいかない。それでもアナログ回路はキー技術なのであるが・・・。

振り返ってみると、回路教育をきちんとできる先生方も少なくなっているのである。

団塊の世代は、トランジスタの黎明期から超LSIの世界を見てきた。時代が育んだ技術者ともいえよう。

アナログ回路はセンサを通じて現実の世界と密接な関係を持ち、アクチュエータを介して自然界に働きかける重要な要素技術である。アナログ回路を知ることなく現実世界との接点を持つことはかなり困難である。

多彩な側面を見せる現実世界との架け橋:アナログ回路のブラックボックス化を憂う。

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2010年2月22日 (月)

部品追加

電子回路の設計では1個の部品の省略でも意外にコストに響く。

1000台/月でその部品が@100¥なら10万円の節約、月給30万の人が1ヶ月がかりで1個の部品が節約できれば、3カ月で元が取れる。

量産規模が大であればあるほど、コスト削減にかけられる労力は大きくなる。

月産数台の製品なら、開発・設計コストが大きく原価にのしかかる。

部品の種類数が多ければ、管理コストが余計にかかるから目に見えにくいところでコストアップとなる。

工程の短縮も重要である。これは、会社の保有する設備に大きく依存する。この部分は機械屋さんの出番が多い。

しかし、一本の抵抗でも回路の信頼性が大きく変わることがある。寄生発振を止めたり、起動の際の異常電流の防止、並列部分の負担分担の平準化など様々な効果のある部分もある。

アナログエンジニアは抵抗1本にも拘る。その効果を考えて検討・設計量が増えても敢行することがある。

もの作りの原点は設計で、この部分でコストの大部分が決まるのだ。その基礎の上に立って、物つくりの現場の地道な改善が積み重ねられていく。

故障はある確率で生じる。しかし、現在の電子部品の信頼性は概して高いので短期間に類似故障が生じた場合には、考えられる故障のメカニズムと対策案の検討を始めるのがアナログエンジニア流だ。故障を他人の所為に転嫁することなく、妥当なコストでやれる改良を続ける。これが日本製品の信頼性を支えてきたわけであるが、団塊世代の退職とともに、物つくりの洞察力・感性が低下していなければ良いのだが・・・。

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2010年2月19日 (金)

コアの磁束密度

スイッチングコンバータではコイル/パルストランスの最大磁束密度を計算する必要がある。

コアの磁束密度の時間変化と電源電圧の関係はMKSA単位系で

Vp=nSdB/dt  ・・・・この式は磁束の時間変化 と巻き数の積が電圧とつりあっていることを示す。

Vp:電源電圧(V)、n:1次コイル巻き数、S:コア断面積(m^2)、B:磁束密度(Wb/m^2)である。

飽和形磁気マルチバイブレータなら、半周期T/2の間に-Bmから+Bmから変化する。

T/2=∫dt=∫nSdB/Vpで積分区間は-Bmから+Bmである。

Vpが一定なので、この積分結果は2nSBm/Vpとなる。したがって、発振周波数1/Thは

f=Vp/(4nSBm)となる。

角型ヒステリシスコア材の最大磁束密度Bmは殆ど電流に依存しないので、f∽Vpとなる。

一定電圧で駆動されるパルストランスの場合には、使用磁束密度変化をΔBとして、

ΔB=VpTon/nS である。定常状態ではコアは残留磁束密度が初期値であるから、磁束密度変化は、(飽和磁束密度-残留磁束)以下でなければならない。実際には、数10kHz以上のスイッチングを行う際には、鉄損が問題になるのでΔBは0.1テスラより低く設計される。

誘起される電圧が、巻き数とコア断面積と磁束密度変化の積に比例することを知っていれば、コアの磁束密度変化を計算できるのである。

電気は目に見えない。磁束はさらに実感が湧きにくいがパルストランスを設計する上で避けて通れない計算過程である。

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2010年2月18日 (木)

電気は目に見えない

機械屋さん出身の方は「百聞は一見にしかず」的考えが多いような気がする。普段、目に見える物を相手にしているので実物主義。図面がなくとも実物とその動きを見れば理解が高まる。

電子回路屋さんは、まず回路図から考える。電気は目に見えず、普通は人間の五感では検出できないからである。

電子回路は電子回路を含む計測器を頼りにして、あちこち測定して電圧や電流を測り、回路が予想どうりに動いているか否かを測る、実感する。この作業を繰り返し、電圧や電流がある程度以上予想どうりになっている経験を通じて、電気を見ている気になっているだけだ。

電子計測器はその内部に電圧や抵抗の標準器を内蔵しており、これを基に種々の電気量を計測する。その確からしさは、最終的に国家標準あるいは世界標準に繋がる校正の連鎖により保証されるのが常である。

電気量は計測により可視化できる。したがって、計測器の原理や信号処理の内容を知らなければ、電気を見たことにならない。

電気計測器を電子回路に接続すると、電子回路からエネルギーをとるので回路状態に影響を与える。常に負荷効果を考えて計測結果を評価することが大切である。

高周波なら、電気は波としての性質が表面化するから、あらかじめインピーダンスを考慮した計測点を作っておく必要もある。

電気は精密科学であるので、いくつかの電気量は計測環境が整っておれば10^-6程度の確からしさは通常の実験室環境で実現できる。

電気は目に見えない。電気に関する法則を理解し、計測方法に熟知することにより初めて電気量を実感することができる。意外に複雑な論理の連鎖である。同時に、目に見えない量を体感する必要があるので、抽象度が機械・機構などより高い。抽象度の高い世界に慣れていれば、具象化された世界の理解はより楽になる。

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2010年2月17日 (水)

センサは複合技術

センサには特定の物理現象が強くでる材料あるいは物性をもつ材料が多く使われる。物理現象は温度に依存するのが普通で、環境温度に対し鈍感な、あるいは鈍感になるような工夫を施す。温度に殆ど依存しない材料はあまり多くなく、恒弾性材料、ゼロ膨張係数材料・・・などが知られている。

センサは宙に浮いて使う訳ではなく、必ずどこかに固定しなければならない。そこには異種材料との組み合わせがあり、膨張係数差に起因する熱ひずみにより影響を受ける。

センサには受動センサとアクティブセンサがある。センサを活性化させるには励起を行わなければならない。ここにも多くの工夫がある。

種々の名前のセンサがあるが、多くのセンサは構造を工夫して基本的な量を測っている。

たとえば、光センサは、周期的な白黒パターンの移動を検知するようにすれば位置の計測ができる。投光器による反射光の変動を利用すれば移動体の検知、センサを2次元的に配置すれば撮像素子となりレンズと組み合わせて画像センサとなる。投光器とセンサを離しておけば光ビームによる侵入警戒センサとなる。

センサ自体でセンシングエリアが決まることもあるが、多くのセンサではフィルタや変調技術、時間軸方向の演算などの信号処理を経由してセンシング信号になる。

過酷な環境の圧力センサでは、センサ材料に直接圧力を掛けることはできないから、耐食材料の弾性体と油で圧力を伝達する。

MEMSなどでは、相対的に大きい寸法比を利用することにより成立するセンサもある。

センサ材料の探索、加工プロセス技術、機械的構造、アナログ信号処理、デジタル信号処理などの総合力で初めてセンサとして成立する。

センサは複合技術であり、人知を凝縮したひとつのシステムと言えるのではないか。

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2010年2月16日 (火)

ABS

ABS(アンチロックブレーキシステム)はブレーキング時のタイヤの滑りを抑制する装置。静止摩擦係数>動摩擦係数だから、ブレーキを掛けた時、滑らないぎりぎりの制動圧にするのが最短で止まれるし、制動中のハンドルも効く。

アナログエンジニアはABS装着車に乗るようになって、一度だけABSが作動するようなブレーキングをしたことがある。器用なことはできないので、ガーンとブレーキペダルを押す。押し放し。ガガガという感触でハンドルを取られることなく停止。

一度だけ、自動車安全訓練センターのスリップバーンでスリップ体験をしたときには、判っていてもブレーキを踏めなかった。教官の一喝で初めてフルブレーキング。素人はこんなものだろう。

もっと頻繁にABSを作動させる方もいるかもしれないが、運転技量に自信がないので普段は余裕のある運転をしている。

ABSは必然的にタイヤのロックを検出する必要があるので、タイヤの回転計をはじめとするセンサからの信号を受けてブレーキ圧を適度に緩める動作を行う筈である。

タイヤロック時以外にブレーキを緩める動作が行われれば、ブレーキが効かない危険な状態になる。ABSが働く確率はかなり少ない。そしてABSの誤動作は動作する確率よりはるかに少なくなければならないはずだ。

昔は機械式のものもあったらしいが、今では電子制御。

その制御装置には極めて高い信頼性が要求される。必要時ABSが効く確率が100%で誤動作する確率0%が望ましい。そして、センサ故障時にはABSが動作しなくても、フルブレーキングに応答してもらいたいものだ。

そして、その機構は安全性を保つようにフェールセーフになっていることと、安全証明が可能な単純な論理/システムになっていることを強く願う。

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2010年2月15日 (月)

メタライズドフィルムコンデンサ

メタライズド・フィルム・コンデンサは、一般には短絡故障の少ないフィルムコンデンサとして知られる。

有機膜に蒸着電極を付けているので、短絡個所が生じるとその部分の短絡電流で蒸着膜が加熱され短絡箇所が再び開放となる。(セルフヒーリング)

このメカニズムで短絡故障を実質的に防いでいるので、過度なディレーティングを行うと短絡のままとなる。

電極が薄いので、一般のフィルムコンデンサより容量/体積が小さい。

これは、メタライズドフィルムコンデンサの光の部分である。

影の部分は、電極膜が薄いので急速充放電には不適である。過度に電流を流すと発熱のため、発火事故もあり得る。コンデンサとしてのQも金属箔電極のフィルムコンデンサより劣る。これは影の部分。

影を制してこそ、光り輝く技術の世界があるとアナログエンジニアは考えている。しかし、影の部分が語られることはあまりにも少ない。

光と影、物事の表裏関係にある。

便利なマイコン制御の裏には膨大なソフトウェアが存在するが、人が作るロジックである限りバグはつきものだ。一つのコンピューターでいくつもの仕事をするときには、極めて複雑な入力条件が絡み合う。そして、多くは不再現トラブルとして闇に葬られているのではないか。

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2010年2月12日 (金)

炊飯器

今週は3回ほど炊き損ないのご飯を食べる羽目になった。1回目以降、細心の注意を払い条件を整えて炊いたがダメ。

もう10年ほど使っていたので、買い替え時かと思い、一人で量販店に出かけた。

同じ容量の炊飯器でも約10倍価格が違う。釜の材料構成の違い、圧力なべ方式、超音波、真空保温などなど言葉は判るが、その効果のほどは理解できない。

再度、「我が家のさち」と二人して出かけ、品定め。

店員さんの説明を参考に、品定め。散々迷った挙句、中級品を購入。

圧力なべ、IH方式加圧タイプで真空保温タイプ。

ちょうど食事時になってしまったので、行きつけのとんかつ屋さんで、ひれかつ定食を食べた。外はみぞれ。

1回目の結果は今日の朝に出た。ちょっとやわらかめに炊けたがまずまずの仕上がり。欲をを言えば、コシがもう少し出れば良いかな。

不要になった旧炊飯器もIH加熱だ。暇な時、分別を兼ねて分解、内部を見て見よう。

ポイントは、温度センサ、コイルの形状、主回路がFETかIGBTかと言うところか。

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2010年2月11日 (木)

シュミットトリガの解析2

前日の続き。回路図は文末に再掲しておきます。

③の点はQ2がONのとき、Q1とQ2が能動状態になる条件で、a点電圧VAとb点電圧のVBがVBE=約0.6Vに等しくなる条件です。Q1電流をI1として式をたてると

VA+VBE2=VB

VA=R2I1+R2(Vcc-VB-VBE2)/R5

VB=(Vcc-R1I1)×R4/(R3+R4)

④の点は入力電圧が減少するときの遷移点でQ1がON、Q2がOFFの状態でb点電圧が約0.6Vになる点です。

VA=R1I1

VB=VA+0.6

VB=(Vcc-R1I1)R4/(R3+R4)

でともに連立方程式になります。

R1>>R3、R4(10倍程度)とすれば、より見通しの良い式が得られます。

設計戦略としては、①の点がR1とR2で決まること、正帰還の強さ=ヒステリシス幅がおもにR3とR4の比で決まることを利用し、与えられた条件を満たすように繰り返し計算で抵抗定数を求めていくのが早道です。回路シミュレータを使えば簡単に求まります。

アナログエンジニアはこの回路の解析を4回行い、その都度設計式の精度を高めてきました。こんな古典的な回路は論文種にならないので、大学の教科書では不正確な式が記載されていることがあります。

この回路の類似形は論理回路のTTLロジックのシュミットトリガにも使われています。

抵抗の数が多いので解析量が意外に多い回路で、正帰還が掛っていますので特徴点で生じている現象も把握が難しくなります。

なお、入力が高いとき、Q1のB-E間がダイオード負荷として働くので、Vcc/R2程度の大きな電流を入力から吸い込みます。図の定数では30mA近くです。この対策には入力とQ1ベース間に適当な抵抗R6を挿入して抑制することができます。

0004

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2010年2月10日 (水)

シュミットトリガの解析1

エミッタ結合シュミットトリガを例に、正帰還を伴う2石トランジスタ回路の解析と設計の流れを辿ってみましょう。

0004_2

回路図を見ると、入力が十分高ければQ1がONになり、その結果b点電圧はa点電圧より低くなります。この状態でQ2はオフです。この条件を満たす電圧はa点より、入力電圧が約0.6V高いときに生じます。

(1)入力電圧を高い方から下げると、Q1のコレクタ電圧が上昇してくる電圧があり、b点電圧がa点電圧より約0.6V高くなるとOFFであったQ2に電流が流れ始めます。a点電圧が上昇するのでQ1のB-E電圧は入力が一定でも、一瞬にしてQ2はONになります。

(2)逆に入力を低い方から上昇させると、入力がa点電圧より約0.6V高く、Q2がONの時に遷移が生じます。Q1のコレクタ電圧が低くなるとb点電圧が下がる結果、Q2の電流が減少し、a点電圧が下がります。すると、Q1のVBE電圧は大きくなり、Q1がON、Q2がOFFの状態に短時間で遷移します。

a点電圧が変動するので、往路と復路の遷移点は異なります。

この回路の入出力特性を下図に示します。

0003_2

横軸が入力電圧、縦軸が出力電圧です。

この回路の設計とは、上記の定性的な検討を基に、特徴点である上図の①~④の点を各抵抗と電源電圧の関数として求めることが設計の第1段階です。

①の点はQ2がON、Q1がOFFの点ですから、飽和電圧を0として簡略化すれば

出力電圧VO=Vcc×R2/(R2+R5)となります。

②の点では、Q1がOFFなのでb点電圧=Vcc×R4/(R1+R3+R4)で、電流がQ1に流れ始める電圧は、この計算に約0.6Vを加えた値となります。

③、④の点はもっと複雑で、連立方程式を解く必要があります。

シュミットトリガ回路は2石でも、正帰還がかかるうえ抵抗の数が多いので結構複雑になります。どこまで文字式で解析するかは目的次第です。しかし、回路動作の定性的理解から設計までのプロセスを知るためには、解析過程がどうしても必要になります。

本稿 続編があります。次回UPする予定です。

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2010年2月 9日 (火)

イメージ図、はめ込み合成

カタログや宣伝パンフレットで、しばしばイメージ図やはめ込み合成の写真が使われる。そして、大抵は虫眼鏡を使わないと見えないくらいの小さな文字で断りが記載されている。

私はイメージ図やはめ込み合成の多くは、その表現に責任を持たないと理解しているが、度の過ぎた実力以上のイメージ図やはめ込み合成写真は、誇大広告に近いと考えている。

「また、文章で○○をお約束します・・。」この語句は消費者と供給者との契約とみなすことができるだろう。

家電品は比較的このような表現は少なく、はめ込み合成写真も許容範囲であることが多い。

一流企業の製品はこのようなカタログを殆ど作らない。

しかし、業界たとえば自動車、光学製品ではかなりモラル、節操のない表現が使われている場合がある。販売側/営業と実性能を知る者との駆け引きの結果だろうが、誠実さに欠ける。

たとえ、イメージ図であっても、その優越表現が数倍も異なるとか、実使用上使い勝手の良さを誇大広告するのは許されるべきではないと考える。

イメージ図やはめ込み合成写真の多用が目に余る現在、消費者保護の観点から規制を掛ける時期に来ているのではないか。

「イメージ図」の記載なく、図表を作れば、当然アウトになる記載も多くある。そんなメーカーにはお客様相談室と称する実質お客様相談室があり、のらりくらりの回答しかもらえないケースが多い。これでは、「お客様撃退室」だろう。その付けは近未来の信用失墜に直結する筈だ。

消費者としては、イメージ図やはめ込み合成を多用したカタログ類の多い業種、メーカーの製品には十二分に注意を払い自己防衛する必要があるが、メーカー側も単に夢を掻き立てるだけではなく、消費者を裏切らない広告をしていただきたいものだ。

誇大広告まがいのカタログでは、高額商品なら消費者から厳しいクレームがつくだろう。

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2010年2月 8日 (月)

正規確率紙

いくつかの要因の和で決まる観測値の分布は個々の要因の分布の形によらず正規分布になる。(中心極限定理)

開発の途上でのサンプル数は、工学の常として多くを得られないし、多くも必要がない。電子回路では、ひとつの要因で性能値が決まることは少ない。

相対的に少数資料で、分布の母数:μ、σを求めたいケースがほとんどだ。アナログエンジニアは、しばしば、正規確率紙を利用する。理由は、サンプルの値の出目の頻度も使うので、少数試料でもヒストグラムより大幅に判断を誤ることが少ないからと信じて使っている。

やり方は、データーを数値の少ない方から並べ、少数サンプルNなので(N-1)で割り、順次正規確率紙プロットしていく。正規確率紙上でプロット点が直線状に並べば、正規確率にほぼ従うと判断できるし、プロットデーターに直線を当てはめれば50%点から平均値μ、68.3%点からσの値が求まる。

場合によっては、μやσの信頼幅もなんとか予測できる。

分布の当てはめの基本はヒストグラムだが、工学では少数データではヒストグラムが描けないサンプル数で判断を迫られるという側面がある。

少量生産では、形式認定試験数は数個であることが多いので、2.5σ設計で十分な項目が多い。もちろん、バイタルな特性は最悪設計を通常は行う。100万ユニット/月の量産なら6σ設計が必要だろう。

統計学は観測値の読み方の基本である。アナログエンジニアは、正規乱数を発生させて観測値の統計量がどのように見えるかも幾度かシミュレーションしている。

学業の成績などは、正規分布をするとは限らない。選抜試験では、判定基準の両側にピークをもつ分布も出題次第で発生させることもできるのだ。したがって、学業成績を正規分布の例題にするのはあまり適切ではないだろう。

統計設計と最悪設計の使い分けは工学において重要な問題である。

そして、ユーザーから見れば、性能不良の1台が自分の使う製品なら重大な問題となる場合もある。バイタルな項目が実使用で生じるなら、1回目あるいは2回目でアクションすべき問題である。某自動車メーカーの対応はあまりにも鈍く、説明は矛盾に満ちている。

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2010年2月 6日 (土)

ブレーキ

ブレーキは車にとって安全に関して生命線である。

ハイブリッドカーでは、車の運動エネルギーを電気に変え、バッテリーあるいは電気2重層コンデンサに戻す回生ブレーキを使用して燃費向上を図っている。

回生時にはモーターは発電機として働き、その負荷電力に応じてブレーキング力が決まる。

モーターが永久磁石DCモータなら、発電電圧は回転数に比例する。蓄電池への充電には低速時にはステップアップDC-DCコンバータを介して、充電電圧まで昇圧する必要があろう。コンデンサの充電であれば過去の充電量に応じて、低圧から高圧まで、出力電圧を大幅に制御しなければならない。かつ、コンデンサや蓄電池の最大充電電流は守らなければならない。

いずれの方法をとっても、車の運動エネルギーを効率よく回生するには昇圧回路のダイナミックレンジを広くする必要がある。ダイナミックレンジの下限(低速時)に達すれば、油圧ブレーキを働かせる必要が生じるのは必定。

ブレーキシステムの切り替えが行われるなら、そのブレーキ力は途切れることなく、不連続にならないように制御しなければ、違和感が生じるだろう。

技術者ならシステム切り替え時の魔の時間での挙動の把握制御の困難さは想像に難くない。回生ブレーキと油圧ブレーキを常時併用するなら、ブレーキ力はより容易に連続的になると思われる。

同じ課題は電気自動車にも当てはまる。実車では、タイヤロック時のブレーキング制御や横滑り機能が同時に働く場合もあるから、ブレーキング制御はもっと複雑になるだろう。

人間の感覚は、踏力に比例してブレーキが効くことを期待しているのである。

本稿は、M-Gセットと簡単な電気2重層コンデンサによる実験から得たアナログエンジニアの素朴な感想に過ぎないが、それでも話題の車不具合に関してのメーカー説明には違和感を消すことができない。

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2010年2月 5日 (金)

故障率雑感

故障率はfit=1/{(試験数)×(時間)}で、単位は10^-9/hである。故障率一定と考えるときには故障が指数分布であることを仮定している。

現在の電子部品の故障率は、簡単な部品であればおそらく1fit前後のオーダーであろう。これを、部品の試験で行うには、1000個の部品を1年間(8000時間≒10^4h)としても、試験数×時間は10^7しかなく、殆ど無故障での実験結果となる。そこで、温度などの環境条件を過酷にして加速試験を行うことになるが、加速により故障モードが変化する場合があり、実故障率の見積もりを大きく誤るケースもある。

しかし、実使用ではたとえば100万ユニットを10年間使用すれば、10^6×10^5で1fitの故障率でも100台故障することになる。量産規模が大きいほど、信頼性を高めないと不具合で苦しむことになる。

使用環境は様々で、部品にかかるストレスの大きさ、種類もことなる。現実的には、部品が加速試験により一定水準以上の品質であることを確認し、最終的にはフィールド故障を根気よく解析するとともに、有寿命品を定期的に交換するしかないだろう。

設計時には、定格低減(ディレーティング)を行うのが常道だが、定格低減により増える故障モードも存在する。

フィールドではノイズ等の外乱も入る上、部品も間欠的に異常動作をすることもあり得る。

間欠性不良の場合、表の論理だけで故障ではないと主張できるほど現実は甘くない。

材料をコストダウンの目的で変更する場合には、故障モード、加速係数も変化する場合もある。

今やマイコンがシステムの中核となり、膨大なソフトが組み込まれている。

そして、ソフトの膨大さ故に、新製品といえども既存プログラムの流用が安易に行われその部分のシステム的検証が甘くなっている場合もある。

デジタル制御の機器、アナログエンジニアは自分の感性と違う動きをする場合も時々で会う。プラント制御装置でもない限りたぶんコンピューター部の多重化は行っていないであろう。

日本製品は信頼性が高いと言われるまでになったが、その信頼感を維持していくのは容易ではない。様々な視点でコストと信頼性を両立させる技量をもった人材が少なくなりつつあるような気がする。

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2010年2月 4日 (木)

DVDピックアップ

Dvd_2  写真はDVDピックアップ。某社03年製のデッキに入っていたもの。構造は基本的にCDピックアップと変わらない。

レンズはきちんとコーティングされており、カッターで傷がつくのでプラスチック製、恐らく非球面レンズ。プリズム(写真の裏側)はガラス製。

フォーカス用コイルとトラッキング用コイルが見える。

ボディはダイキャスト。レンズ部は細いワイアで弾性懸架されており、なぜか適度なダンピングになっている。(ショックを与えても減衰振動はしない)ワイアはコイルへの給電も兼ねている模様。

磁石はフェライト系より強力である。

アナログエンジニアはこのようなユニットを美しいと思う。

今回のDVD/VHS機の分解は、数年前に分解した後の構造の進化を確かめるため。

VHSカセット再生部は機構として完成度を増している。この部分は機構の極み。

国内メーカー品だが、チューナー部は韓国製、組み立ては中国。電子部品は各国の物が使われているようだ。電源部はしっかりと作られている。

われわれは、低廉で高性能な家電品を当たり前のように使っているが、その陰に多くの技術者の努力が隠れている。

しかし、そのメカ、電子回路は一般の方の目に触れることは少ない。メーカーでも全体を掌握している技術者はそう多くはないだろう。

技術の裏舞台を見せない機器の氾濫も理系離れの一因ではないかと私は考えている。

現在身の周りにある機器に比べれば、生徒に見せられる物つくりの原理はあまりにも貧弱にならざるを得ない。

コンピュータ制御の発展により、ますます機器のブラックボックス化が進む。これは避けられないことであるが、同時に身近な器具、機械がどのような動作をしているか外部の者には判らなくなって来ている。そして、人間の感性と自動化された機械の動きとの競合も生じている。

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2010年2月 3日 (水)

ワープロ原稿

大学では卒業論文や修士論文などの執筆がある。企業でも新人教育の仕上げとして20-30pの字数制限で論文執筆/発表がある。

そんなとき、文章添削指導をさせていただく機会の多かったアナログエンジニア。

もちろん、原稿はワープロの原稿であるが、私は紙ベースにして朱を入れ添削するのが通例である。紙の欄外に自由フォーマットで校正と同様なやり方で指示する方が電子データー上での添削より手間が少なく正確な指示ができるからである。

ワープロの普及したこの時代では老若男女を問わず、持ちネタを順不同でPCに打ち込み順番を入れ替えて技術論文の体裁にしてくる事例が後を絶たない。このような技術文章は概して論理構成が甘いし、不要な形容詞、副詞句が多い。ワープロ特有の誤変換がそのまま残っているケースもある。

論理構成の甘い文章の添削指導では、文章が日本語になっていない場合が多い。そこでまず、主語・述語・目的語の係り受けを修正する。係り受けを修正し、不要な接続詞を省き、形容詞句や副詞句を適正にすれば全体の流れが明白になるので、内容自体のレベルが浮かび上がる。

重複表現は当然削除。

最後に、要旨の添削を行う。要旨は数100字程度以内で内容のまとめを行っている部分だから、本文との整合性が重要で、簡潔で読みやすい文章にする必要がある。要旨の添削は気配りが必要で、添削しすぎると本人の文章、文体ではなくなるからだ。

図表の添削では、添削者の技術力が試される。本文の主張との整合性もチェックするが、図の表現が甘いとその後の発表練習のときにドタバタすることになる。

企業内では複数の人間が指導するので、会社のポリシーに関する部分は当然上位者に任せる。何回も添削されるので指導される方の負担も大きい。そして、添削指導する側も評価を受ける立場となるのが通例だ。

技術文の書くプロセスは分量によって大きく異なる。数100字の要旨、数ページの論文、数10ページの報告書、150ページ以上の本さまざまである。

手書き文章の時代を経験したアナログエンジニアは書き直しすることなく一応の文章を書くことができる。手書きは書き直しが大変だから、書く前に頭の中で文章全体を構成してから書かなければならないので、リアルタイムのプレゼンテーション技術にもつながる。

ワープロでの編集機能で書きなぐり文章を繋ぎあわせての文章技術とはかなり異なる。

それにしても、ワープロを使いすぎると漢字の書き方を忘れてリードオンリーメモリ的な漢字能力になってしまいがちである。

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追記:トヨタのアクセルリコール問題で、プラスチックの擦動部品の試験を実装状態ではなく単体の環境試験のみとの報道があった。プラスチックと金属の組み合わせは、膨張係数差や摩耗の問題があるので、組み合わせ試験は当然だと思うが・・・。この状態では、重要部品でない部分の組み合わせ試験は自動車各社ともアセンブリメーカーとして十分な試験をしていないかも。自車にもマイナーな不具合が散発している。

2010年2月 2日 (火)

我が家の電気製品この1年

この1年は我が家の電気製品の故障、不具合が多く発生した。

A社製スリムタワーPCの電源部からの発火事故を目撃したのが第一番に挙げられる。顧客窓口の対応も最悪。2回目の℡で怒鳴りつけて上長を出させてやっと無償交換。当然だ。対応の様子からみて、同様な事故例があったらしい。

同じくA社のノートPCの電池寿命。のらくら回答だったが、自己責任で電池交換指示。回復。

次はB社製エアコン室外機。コンプレッサの不調およびそれに伴うパワー回路の異臭発生。これは、量販店の補償期間延長契約でぎりぎり無償交換。

車関連では、C自動車のフロントサイドビューモニタの性能不良(別型番へ無償変更)、コーナーセンサの誤動作頻発、キーロックシステムの散発誤動作、対応策は提示された。

D社のCD、MDデッキのトラッキング不良。これは、購入時に時々読み取りエラーが出ていたが、その時クレームをつけなかったので有償。

E社の携帯電話内の電源基板故障。操作している途中でプツン。補償期間中。修理後データも回復。前に使っていたH社の携帯は液晶表示部を角に当てて壊した。

F社のDVD/VHSデッキのDVD読み取り不良。めったに使っていないので故障時期不明。修理するのと同じくらいで新品購入手配。今後、分解して構造を見る予定。

G社のオーブン付き電子レンジのヒーター断線? オーブンは使わないのでそのまま使用。

I社のプリンター寿命。概算10億ドット以上は使っているので新品購入。

その他、猫の食害多数。マウス3個、LANケーブル、光ファイバー断線、携帯の充電器3個など。これは自己責任で対策済み。少し使い勝手が悪くなった。

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共通して言えることは、修理は基本的にチェンジニア方式。おそらく故障原因を追及することなく交換修理をしている。そもそも、部品レベルで修理できるような構造になっていない。従って、真の故障部品を特定しているとは思えない。フィールド故障は改良の源泉だというのに!機能は豊富だが使う立場での設計になっていないものも多い。

こんな対応していたら、技術立国 日本 の将来は危ういかも・・・

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2010年2月 1日 (月)

ホイスカ

ホイスカ(猫ひげ、whisker)は電気部品では、亜鉛や錫のメッキ面などから成長する細くて丈夫な金属線である。

条件が揃うとmmオーダーまで成長するが、基本的に単結晶なので強度があり、薄い絶縁物を貫通する例もある。その際の故障モードは短絡モードでおそらく数mAでは溶断しない。

35μmのアルミワイアでは約500mAに短時間耐えるので、ホイスカによる短絡の後に開放となるにはそれ相応の電流が流れる必要がある。

ホイスカの成長はメッキ条件、鉛の含有、メッキ後の熱処理によってほぼ防止できるが、最近では鉛フリー化と基板パターンの微細化、低電流化に伴い、再び発生例が生じている模様だ。

ホイスカは極めて細いので、通常は横方向から強い光を当てないと、肉眼では確認できない。

また、基板を拭うとホイスカの断片が基板上を移動する。移動した断片がパターンを短絡することもあり得る。

アナログエンジニアは過去2回ホイスカを見ている。

見えない短絡要因、ホイスカによる短絡はそのつもりで見ないと確認できないので、故障した電気部品、基板の取り扱いが悪ければ散逸してしまう。

最近の基板はモジュール交換を前提にしているが、回収した部品の故障部位、故障原因まで追究している例は少ないのではないか?

このレベルの故障解析は、信頼性確保のための基本動作であるが量産品でも、いや量産品では特に闇に葬られているのではないか。

実時間、実使用下でのデーターは貴重で技術の源泉でもある。日本が誇る信頼性技術は大丈夫なのだろうか。

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