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2010年2月 3日 (水)

ワープロ原稿

大学では卒業論文や修士論文などの執筆がある。企業でも新人教育の仕上げとして20-30pの字数制限で論文執筆/発表がある。

そんなとき、文章添削指導をさせていただく機会の多かったアナログエンジニア。

もちろん、原稿はワープロの原稿であるが、私は紙ベースにして朱を入れ添削するのが通例である。紙の欄外に自由フォーマットで校正と同様なやり方で指示する方が電子データー上での添削より手間が少なく正確な指示ができるからである。

ワープロの普及したこの時代では老若男女を問わず、持ちネタを順不同でPCに打ち込み順番を入れ替えて技術論文の体裁にしてくる事例が後を絶たない。このような技術文章は概して論理構成が甘いし、不要な形容詞、副詞句が多い。ワープロ特有の誤変換がそのまま残っているケースもある。

論理構成の甘い文章の添削指導では、文章が日本語になっていない場合が多い。そこでまず、主語・述語・目的語の係り受けを修正する。係り受けを修正し、不要な接続詞を省き、形容詞句や副詞句を適正にすれば全体の流れが明白になるので、内容自体のレベルが浮かび上がる。

重複表現は当然削除。

最後に、要旨の添削を行う。要旨は数100字程度以内で内容のまとめを行っている部分だから、本文との整合性が重要で、簡潔で読みやすい文章にする必要がある。要旨の添削は気配りが必要で、添削しすぎると本人の文章、文体ではなくなるからだ。

図表の添削では、添削者の技術力が試される。本文の主張との整合性もチェックするが、図の表現が甘いとその後の発表練習のときにドタバタすることになる。

企業内では複数の人間が指導するので、会社のポリシーに関する部分は当然上位者に任せる。何回も添削されるので指導される方の負担も大きい。そして、添削指導する側も評価を受ける立場となるのが通例だ。

技術文の書くプロセスは分量によって大きく異なる。数100字の要旨、数ページの論文、数10ページの報告書、150ページ以上の本さまざまである。

手書き文章の時代を経験したアナログエンジニアは書き直しすることなく一応の文章を書くことができる。手書きは書き直しが大変だから、書く前に頭の中で文章全体を構成してから書かなければならないので、リアルタイムのプレゼンテーション技術にもつながる。

ワープロでの編集機能で書きなぐり文章を繋ぎあわせての文章技術とはかなり異なる。

それにしても、ワープロを使いすぎると漢字の書き方を忘れてリードオンリーメモリ的な漢字能力になってしまいがちである。

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追記:トヨタのアクセルリコール問題で、プラスチックの擦動部品の試験を実装状態ではなく単体の環境試験のみとの報道があった。プラスチックと金属の組み合わせは、膨張係数差や摩耗の問題があるので、組み合わせ試験は当然だと思うが・・・。この状態では、重要部品でない部分の組み合わせ試験は自動車各社ともアセンブリメーカーとして十分な試験をしていないかも。自車にもマイナーな不具合が散発している。

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コメント

こんばんわ5513さん
本当に技術報告文書の作成は気を遣いますね。
添削後に論点が変わることもしばしば・・・
私も製造現場にいたからか、まず紙面で編集後に電子文書の作成を行っています。
特に作成後に誰も閲覧しないような、ノウハウ書の作成には無意味さを感じます。(慣例なのでしょうがないですが)(;ω;)

入門者にゅーきち さん おはようございます。
製造現場だと、かなり強烈な添削が入るのが普通の様な気がします。
ノウハウ書、手順書を作っても、なかなか読んでもらえないですね。
設計だと設計書などめったに他人が見ることはないでしょう。

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