ドライブレコーダー
一連の車の急加速問題には、少なくとも運転者の誤操作が含まれているようだ。
記録が残っていれば、この種の問題はかなり状況を把握し問題の所在を含めクリアにできる。不毛な水掛け論を回避することも可能だろう。
最近の車はCPU搭載の電子制御システムだから、センサ(アクセル・ブレーキのペダルの位置)などやアクチュエータ(スロットル)の開度などの記録を異常があったときにのみ記録するシステムを搭載すれば、ユーザー・メーカーともにハッピーになるのではないか。
不揮発メモリが安価になった現在、電子制御システムに使うセンサ・アクチュエータの情報をタイムスタンプとともに残せばよいのだ。風評被害や悪意の不再現クレームへの対応を費用を考えれば、コスト的にも引き合う時代と環境が揃ってきていると思う。
振り返ってみれば、産業機器のシステムではあちらこちら記録計でセンサやアクチュエータの挙動が間接的な場合もあるが記録されていることが多いので、状況解析・再現試験が容易となる。データーを取得する解析装置や分析装置の場合には記録が残る。アナログエンジニアは何度も残された記録に助けられた。
不再現トラブルは、エンジニアにとって厄介な課題であるが、旅客機のフライトレコーダーいわゆるブラックボックスの簡易版を電子制御の車に乗せることは今や必要な時代になってきているとアナログエンジニアは考える。
一部の車種にはすでにドライブレコーダーに近い機能が搭載されているとの報道もある。
記録が残っていれば、はるかに少ない手間で異常と称する事象への対応、対策が可能である。
プライバシーの問題は多少残るが、エンジニアリングの高度化のためにも、是非、ドライブレコーダーの搭載を今後進めて頂きたいと考える。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
ついに米国集団訴訟大好き弁護士のえじきになったという印象です。トヨタがトップに立ったあたりから何年もかけて準備してきたのでしょう。「訴えてやる!大賞」ランディカッシンガム(元NASAエンジニア)早川文庫を思い出しました。他人事だと笑える本ですけど・・・。
投稿: yumtak | 2010年3月29日 (月) 09時52分
yumtakさん こんにちは
トヨタのみならず、複数の自動車メーカーのオプション類には非常に品質の悪いものも混ざっており、その無償交換には高いハードルを設けています。個人に対しては有利な契約条件での新車購入となっています。
しかし、技術的な白黒とは別次元の問題に対しては、このような機器を装備することは今後避けられないと思っています。
投稿: 5513 | 2010年3月29日 (月) 10時07分