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2010年3月26日 (金)

電源コンデンサ

電子回路の電源は殆どコンデンサ入力形である。突入電流のピークの大きさの最大値は、元電源のインピーダンスで決まる。突入電流の値は、数10W程度出力のトランス絶縁+整流ダイオード+コンデンサの回路形式でも、簡単に商用電源から数10Aの突入電流が流れる。

スイッチング電源では商用電源を直接整流するので、コンデンサ入力の整流平滑回路のみだと、突入電流が大きすぎる。このためAC100V系に大きく影響を与えてしまう。このため、最近のスイッチング電源では、突入電流抑制と高調波電流抑制の目的で主スイッチ回路の手前で、電流波形制御回路が付加されているものも多い。

単相AC100V+整流平滑回路では、突入電流抑制のためコンデンサと直列に抵抗を挿入し、突入電流を1次側換算で数10Aになるよう抵抗を挿入する。コンデンサの容量が大きければ、突入電流の継続時間は大きくなる。コンデンサに直列になるように挿入した抵抗での損失を無視できないので、時間経過後抵抗を半導体で短絡させることもあり、この場合には、抵抗の短絡のタイミングで再度突入電流が流れる。

数100W級のトランスでは内部抵抗が少ないので、突入電流の抑制は重要な課題となる。また、突入電流が大きいと整流器やコンデンサの負担も大きくなる。

チョークインプット整流回路では、軽負荷起動時のオーバーシュートの課題があり、単純には適用できない。

正弦波交流を整流すると、実効値のルート2倍(1.4倍)の電圧がでるような条件は、突入電流の課題を考えると実務的にはなかなか実現できないのである。

しかも、コンデンサ入力整流回路の出力電圧は、途中に抵抗分を考慮すると単純には解析的に解くことができない。

ダイオード整流回路で、電源インピーダンスを含めた等価回路のイメージなくして実用的なコンデンサインプット整流回路の設計はできないのである。そこでこの手の回路では、様々な手法で突入電流の制御をおこなう結果、ピーク検波とみなすことなく設計することになる。

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だから、実務書では最初の方で整流平滑回路を説明しにくいのだ。

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