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著作

  • 共著:「次世代センサハンドブック」培風館(2008)、「マイクロセンサ工学」技術評論社(2009.8)
  • 連絡先
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  • 単独著
    アナログ電子回路設計入門 (1994.12)、コロナ社: 実践アナログ回路設計・解析入門 (2005.1)、日刊工業: オペアンプ基礎回路再入門 (2005.7)、日刊工業: ダイオード・トランジスタ回路入門 (2005.12)、日刊工業: スイッチングコンバータ回路入門 (2006.9)、日刊工業: これならわかるアナログ電子回路基礎技術 (2007.6)

専門とする事項

  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

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新刊

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2010年4月

2010年4月29日 (木)

車の不具合

いくつか経験している。

パワーウィンドウの動作不具合:パワーウィンドウを上昇させるとき、トルクリミッタが動作し再度窓が開いてしまう間欠性、季節性の不具合、明らかに挟みこみ防止トルクセンサの調整不良であるが、運転には支障がないでしょうと最初は部品交換を拒否された。そこはアナログエンジニアのセンサ知識と意外に危険な現象であることを説明し、なんとか部品交換に至った。その後は、一度も再発していない。

フロントサイドビューセンサの視界と分解能不良はカタログ仕様も満たしておらず、正規オプションから代替品にディーラーが交換してくれた。この折衝も簡単ではなかった。私の方も魚眼レンズを購入し画像処理をするなど、相当投資と努力をした。メーカの設計不良だ。

コーナーセンサの誤動作はもっと複雑だった。センサ機能を車速でインターロックしているがそれにも関らず誤作動する。感知距離も異常に長い。再現はした模様であるが、部位は特定できず、広範囲の部品、ユニット交換に及んだ。ディーラーとしてはかなりの決断をしてくれたようだ。

キーレスエントリーシステムは受信側と送信側双方に問題があった模様で、交換後は一度も不具合は起こっていない。これは危うく、使用者の誤操作にされるところだった。キーの形状も誤操作を意識したデザイン風にはなっているが、役に立ってはおらず、メーカーの言い分は自分のデザイン不良を客の所為にする対応から始まった。

現在は、車の駆動力が一時的に殆ど無くなる不再現トラブルが問題になっている。ユーザーから見ればかなり危険な事象であるが4万kmで1回だけのトラブル、もう2週間ディーラーに車を預けているが不再現。ディーラーとしては、再現できなければ動きようがなく、メーカーの品質保証部門も動かないらしい。

ながながと、記事を書いたが、車メーカーに不具合を直してもらうには、時間と当事者(自分とディーラ)の技量が問われる。話題のトヨタではないが、車にはメーカーが把握しない故障、不具合が巷にかなり存在していると感じている。

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005 ←庭の片隅に生えているアスパラガス。

大半は食べてしまった。

2010年4月28日 (水)

基準電圧の共通化

基準電圧をアナログ回路システムの中で共通使用すると、いくつかの誤差要因を消去することができる場合がある。

センサブリッジ回路では、駆動電圧×抵抗比偏差の出力が得られる。負帰還増幅器は基本的に抵抗比で決まる。そして、積分形AD変換とくに積分形では、電圧比が計数値の比×基準電圧で決まる。従って、クロックが正確ならば、センサ出力をデジタル化する際に基準電圧の偏差が消去される。

もちろん、あちこちで基準電圧を共通使用するから、GNDラインの布線には十分配慮する必要がある。

センサ回路などでは、AD変換器の基準電圧を共通花することで、大きな誤差要因を消去することが可能になる場合も少なくないのだ。

アナログエンジニアはこの手法をしばしば実戦で使用してきた。

良質の基準電圧回路が高価である時代に育ったこともあり、基準電圧源の重要性は身にしみている。その分、レイアウトで工夫して、GNDラインを安定なものにする必要はある。

誤差が消去され易い回路構成は、性能を出しやすい回路でもある。

センサ回路では、回路の対称性を利用して誤差要因を消去する回路構造もふつうに取り入れられている。

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003 ←庭の花、オレンジ色が鮮やか。

気温の変動は大きいが、花は春であると主張している。

2010年4月27日 (火)

回路の間欠不具合

電子回路の間欠性不具合や再現頻度の少ない不具合の元凶を特定するには、最高の知識・技術と努力が必要だ。

アナログ回路なら、不具合は一過性であることが多く、進行する可能性すらあり得る。回路のバイタルポイントを熟知していないと改良には繋がらない。また、サービスマンの支援も必要だ。

デジタル回路では、もっと困難である。最近では不揮発メモリの進歩によりイベントログを残す仕組みを備えることも多い。

しかし、大規模デジタル回路を含むリアルタイムシステムとなると、簡単ではない。種々の割り込みが入るとともにアナログ系の誤動作もあり得る。ソフトバグも皆無とはいえない。

それでも、回路の間欠不具合の対処の誠実度は、その業界の風土を表すこともある。

いくつかの自動車メーカーでは、不再現トラブルに対しては冷淡である。再現しなければ何もしてくれない。キーレスエントリーシステムでは2車種で経験し、1社は不対応、1社は対応してくれた。

先日のエントリーでの駆動系の制御不具合はまだ未解決。ディーラーは車を預かってもう10日も経過している。再現しないと本部、さらにはメーカー本体が動かないとの話である。

約4万km走行で、1回のトラブルだが、車がまともに動かなくなるというトラブルで、怖い。

イベントログにはそれらしい記録は残っていないそうだ。

再現しにくいトラブルへの自動車業界の対応は押し並べて感度が鈍いのではないか。このような状況では、私はHVやEVカーに乗る自信はない。昔はオールメカだったから、条件が整えば、それなりの対応ができたのだが・・・。

何よりも、メーカーがシステム構造を明らかにしないので、アナログエンジニアとしては自力での原因個所の特定ができないのだ。そして、自動車業界のいくつかはそのような再現しにくい重大トラブルへの対応をまじめにやらない、やれない体質となっているのではないか。

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004気候はともかく庭は春。

2010年4月26日 (月)

はめ込み合成カタログ

はめ込み合成写真やイメージ図を用いたカタログ類は世の中にあふれている。

しかし、それらを用いた多くのカタログは、意図的な優位誤認をさせる可能性がある。

たとえば、よくある双眼鏡のカタログ特に倍率をうたい文句にしているものでは、実際にそのように見えない。小さい対物レンズでの高倍率では像は暗く、ぼけるのが普通。しかも、手持ちであると、8倍程度以下でも対象物を安定に捉える事ができない。超一流メーカーではこのような宣伝方法はとらない。2流3流メーカーのやることだ。

もう一例、イメージ図ならどのような表現をしようと構わないと考えている自動車メーカのカタログもある。モニターの視野が明らかに不足しているのだ。これはクレームをつけて別のモニターに変えて頂いた。カタログは契約書と同じ。自動車はカタログを見て買うもの、後で細かい使用上の制約を付けられても話にならない。

いま、自動車メーカーは厳しい目を向けられているが、傲慢とさえいえる取引条件で商売してきた付けが回ったに過ぎない。不具合を無視するケースにも複数社で経験している。

キーレスエントリーシステム、意外に不具合が多い。話題のメーカーでは、車を離れるとき、ある距離になると散発的に開錠されることがあった。メーカーは何らかの形でキーを押したのではないかと取り合わない。しかし、鍵を手に掲げて車を離れても同じ事象が生じたのだ。

電子化の進展に伴い、再現しにくい散発的トラブルが出やすいのは必定。しかも、多くは肝心な時に発生する。いま、そのような不具合に対しメーカーの姿勢が厳しく問われている時代となりつつある。

コスト節約の目的で、不良部品交換をなるべく回避するようにディーラーに圧力を掛けているメーカーも存在するとの噂もいくつか聞く。

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006←やっと咲いたドウダンツツジ

2010年4月24日 (土)

禁煙3日目

今日は禁煙3日目。

禁煙2日目もさしたる苦痛はなく、過ごせた。ニコチンパッチのおかげだろう。

散歩と軽運動(アーチェリー)は毎日している。

今、一服すればうまい煙草だろうなと思う時が一日のなかで幾度かある。

しかし、喫煙への飢えの気持ちは相変わらず。

最初の目標は次回通院時の15日後まで、0本のキープ。

ヘビースモーク時の習慣で以前はこの時間に起きて一服、2度寝をしてた。

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004

2010年4月23日 (金)

回路屋の育ち方15

技術士の部門分類ではないが、電気・電子は見えないものを扱う。

電子計測器がないと殆ど何も調べることができない。

しかも、測定個所の選択には、ここを測ればなにそれがわかる、というアクティブな作業である。何も考えないでの測定はあり得ない。

私は主にセンサ関連の電子回路を扱ってきた。

センサは励起回路の出力を上げれば、信号レベルが上がるものが多い。しかし、上げすぎると自己加熱などの問題や特性変化の問題がでてくる。センサの出力端で直接測定できない場合がかなりあるので、少なくともプリアンプ部は動作を信じての計測になることが多い。

センサ回路は、電源と測定器を作っているようなもので、電子回路の信号処理なしにセンサ特性を測れる方が珍しいと思う。センサの疑似信号を作るのも簡単とは限らない。

直接測定できない信号を可視化する。それがセンサエレクトロニクスだ。見える物しか扱っていない人の感性とは異なる。見えないものを見えた、理解できた、測定できたと感じるためには、回路に全幅の信頼を置いていなければならない。新しい世界を見るためには、どうしても間接測定とのクロスチェックも必要となる。

幸い、アナログエンジニアは検流計を学生時代に扱い、針式テスタで永らく仕事をしたので、電子測定の結果を機械的に見た経験が残っている。

最近はやりの見せる理科教育のデモは場合によっては真実を語らない。見えない世界を間接的にに見えるようにする技術が電子の世界だろう。

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今日は禁煙2日目経過、吸いたい欲望がさら強くなる。我慢できているのはニコチンパッチのおかげ。ヘビースモーカーで煙草歴が長いから、喫煙願望はもっと強くなってくるだろうな・・・ 

2010年4月22日 (木)

禁煙初日

故あって、禁煙することにした。これから8週間の禁煙外来のプログラムがスタートする。

肺炎で入院していた時も、点滴スタンドを押しながら、病院の屋上で煙草を吸い続けた私が禁煙に挑戦するのだ。

前日は、買い置き煙草の処分、灰皿の処分、ライターの処分を行った。買い置きの煙草は水につけて、ゴミ袋へ。濡れた煙草はいくらなんでも吸わないからだ。

車のライターも処分。

前日の前準備完了。一応、禁煙宣言書を作る。

夕刻、最後の一服、まずい煙草だった。その後、時間をおいてニコチンパッチを貼る。

私の煙草歴はおよそ30本×45年、医者で測ってもらった呼気のCO濃度は29ppm。ヘビースモーカーの範疇に入る。煙草を吸えない時間帯の予定があると、吸いだめはやるし、その後の煙草を吸う場所をあらかじめ考えている。終わるとチェーンスモーク。煙草中心の行動パターンが身についている。

朝の目覚め時には普段なら2-3本続けて吸う。今日はその欲望は薄い。この調子なら、

あまり苦痛なく、初日を貫徹できそうだ。カラ咳も2-3度でる。

朝から煙草を吸えないときには、我慢の連続。最近では24時間断煙できたためしはない。パッチのおかげで吸う欲望はいつもより弱い。

まずは幸先の良い、禁煙初日。

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2010年4月21日 (水)

強制換気式石油暖房機

強制換気式石油暖房機の実物を若い人は見かけたことがあるだろうか。

少なくともここ10年くらい、私は見かけたことがない。今も製作されているのだろうか。

我が家では、かって、強制換気式石油暖房機を使用していた。

外部石油タンクを使えるので給油の手間がいらない。暖房用出力が大きい。室内の空気を汚さない。石油なのにタイマーが使用できるなどの利点がある。

欠点としては、熱風を床近くから吹き出すので、木の床が傷みやすいこと、何よりも故障が多いことが挙げられる。

紫外線炎センサーや過熱センサーなど多数のセンサを備え、熱交換もやっているので複雑な装置だった。安全装置の故障が多く、しょっちゅう、安全サイドで停止して修理した記憶がある。センサの消耗が早く、保守が欠かせない。維持できなくなって、10年前には我が家から消えていた。

現在の我が家は、対流式の石油ストーブを補助にヒートポンプ式エアコンがメインである。この組み合わせで、冬場は3-4室を暖房している。間仕切り断熱、床断熱、2重サッシを使っているので、コンクリート建屋より、広い範囲の暖房ができるのだ。しかし、エアコンだけだと気温の上昇速度が遅いので、石油ストーブは室内気温の急速な立ち上げ用に使っている。

一昨日で、ポリタンの灯油を使いきった。今シーズンの石油ストーブの出番はおしまい。と思いたい。

強制換気式石油暖房機:消えた家電品の一つかも知れない。しかし、今もリコールのTVコマーシャルが流されている。

その一方で、石油ボイラーは築35年でまだ2代目である。この差はどこから来るのだろうか。家電品は意外に長く使用される。安く、安全で、信頼性が高いことが要求される。

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2010年4月20日 (火)

計装盤の色彩

中央制御室の計装盤、長くその前で作業をするので、穏やかな色彩・デザインが緊張をほぐす。

若い日のアナログエンジニアは、一日盤面を見て過ごしたことが幾度かある。

色は薄緑を基調とした穏やかである程度の空間があった方が楽だった。

あるとき、某所で薄紫を基調とした盤面を数時間見詰めていたら、胃が締め付けられるような圧迫感があり、計器を見ていても結構なストレスを感じた。

国外で、スタンダールではないが赤と黒を基調とした計装盤も見たことがある。赤と黒、インパクトのあるデザインだが、オペレータの集中力は続かないだろう。

色は人の心理状態に影響すると思う。

長い時間その前で作業するなら、穏やかな色彩でゆとりのある空間が必要だ。

昨日、待合室でぼーっと時間待ちをしていて、そのように感じた。

長い時間を過ごす空間の色彩とデザインは重要であろう。

計装盤の見学する機会はもう殆ど無いが、時々、その前で数時間座っていたら耐えられないと思われる色彩の計装盤もあった。色は人の心に強く影響する。薄緑は落ち着いた気分で長時間集中力が持続するようだ。

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007 雨上がりのあせびの花。

2010年4月19日 (月)

回路屋の育ち方14

アナログエンジニアは若い頃、一度転職している。

光学器メーカーから計測器メーカーへとの転職だ。

光学器メーカーには15カ月ほど在職した。大学紛争の年の卒業だったので、卒業は6月、そして、新人Grで洋書を教科書に幾何光学と物理光学を皆で自主勉強していた。

センサには回路がつきもので、転職を決意したころから、トランジスタ・ダイオードの勉強を必死になってやった。このときの勉強がその後の回路屋としての素養となった。教材は7冊シリーズの洋書の翻訳本である。

この時代は、第1次オイルショックの前で、景気も良い時代だったので首尾よく転職できた。

計測器メーカーに就職の際、課長さんが2人出てきて、計装エンジニアをやるかセンサエンジニアやるかの選択肢が示された。もちろんセンサエンジニアを選択したので今日の自分がいる。

転職後配属された職場は、工業計測器の差圧・圧力計を作っている設計職場で、当時、激しい開発競争が行われていた分野である。通常の環境仕様は-20~+80℃が回路の標準環境で、腐食性の流体を対象にすることもある。

当然、過去の製品履歴の記録も残っていて、自分が開発の一端を分担することになったとき、その記録のほとんどに目を通し、頭の中に記憶した。フィールドデーターは、実時間の生の信頼性データーである。そして、自分ならどう設計するか、何を検討課題にするかの感性が磨かれた。

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2010年4月16日 (金)

ガスコンロ

新しいガスコンロを購入した。ハイカロリーバーナーと通常のバーナーと両面グリルの付いたもの。3口合わせて、約10kWの熱出力。

昨日までの古いものは、オレンジ色の炎が一部混ぜるようになり鍋等の底が黒くなる。それで買い換えた。

今度の物は、耐熱ガラスの天板の少しグレードの高いもの。ずいぶん、構造が様変わりしていた。各コンロには温度センサを装備、沸騰検知、過熱検知、消し忘れ防止、油温制御機能などが付いている。多分、マイコン搭載。

10-12年使った古いのは、バーナー部に錆がでて、燃焼状態が悪くなっていたし、掃除もあまり簡単ではなかった。

青色炎で五徳のところだけが炎が短い。リングバーナーのところのガス流量が少なくなるように、孔が一段と小さく他の部分より火口の長さが短くなっている。炎は6弁の花びらのようだ。五徳の酸化防止の工夫だろう。他社がやっていなければ、特許になるアイディアだ。

バーナー部の材質も変わっている模様。鉄色から黄色がかった合金色だ。耐久性が増すことを期待したい。

コンロの清掃もずいぶん楽な構造だ。

いつも通り、センサ機能のチェックも一通り確認、きちんと期待する動作をしてくれる。また、弱火のダイナミックレンジが広くなっており、相当出力を絞り込める。基本的な操作感は以前とあまり変わらない。

控えめながら、がっちりと安全機構を充実させている感あり。

新しいガスコンロを使って、もっと早く買いかえれば良かったと考えるアナログエンジニアである。

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010 我が家の桃は満開。

2010年4月15日 (木)

ひずみゲージ増幅器

金属線ひずみゲージは通常120Ω程度、特殊なものでは350Ω程度のゲージがある。自己加熱を回避するため、駆動電圧は1~2V程度である。ゲージファクタは約2である。従って、出力電圧は1V×2×ε(ひずみ、1000μストレイン)≒4mVが4アクティブゲージでの期待出力になる。2アクティブゲージならこの半分、1アクティブゲージなら1/4となる。

DC信号の数mVを増幅することは、現在の低ドリフトオペアンプなら楽に扱える信号レベルである。(昔はチョッパアンプを使っていた)

使用する回路は、ゲージを含むホイートストンブリッジ+計測増幅器が標準的である。

問題はゼロ点調整機構である。ひずみゲージの抵抗ばらつきは0.1%から0.2%程度ある。接着時のひずみでも抵抗は変わる。

従って、最大ひずみの100%を超えるオフセットを電子的に調整することが必要で、ブリッジの中に可変抵抗を組み込む。ゲージ抵抗値は120Ωと低いので、0.1~0.4Ω程度の小さい抵抗範囲を調整することになる。

ふつう、多回転可変抵抗に並列抵抗を付加して、分解能と可変抵抗の抵抗値を適当な値になるように設計するが、それでも、調整分解能が不足するケースが多い。租調整と微調整の2段階で注意深く、調整機構を構成する。

半導体ひずみゲージでは、もっと信号レベルが大きく、抵抗ばらつきは大きい。半導体ひずみゲージを使用する場合は低ひずみの測定が目的であるから、フルスケールの抵抗変化に対し、調整代は相対的に大きくなる。半導体ひずみゲージは線膨張率が小さいので、熱ひずみの影響を受け、ゲージファクタの温度依存性もある。

いずれにしても、初心者にとっては、ひずみゲージ増幅器ではゼロ点調整機構が最初の関門になる。

アナログエンジニアは、技術者生活の中で幾度も種々の目的のひずみゲージ増幅器を設計してきた。そして、常に、アンプその物ではなく、調整回路の設計は目的に応じてカスタマイズしてきた。多くのセンサでは、調整方法=原点のトリミングが最大の課題となる。

こんなこと、日本の教科書にはほとんど書いてない。

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018

2010年4月14日 (水)

電子制御変速機

昨日、妻の車で異常?動作があった。

電子制御を多く取り入れている車種での出来事。

前車が方向指示機と反対方向へ急ハンドル、妻はたぶんハンドルを切りながら、急ブレーキを掛けている。ABSが働いたかも知れない。

問題はその後の車の挙動である。停止寸前でアクセルに車が応答せず、路肩に車をアクセルを吹かしてなんとか車を移動させた。

複数の車種で、電子制御変速機がこのような挙動をすることがあると、妻は元同僚から聞いたことがあり、その通りの操作をやったようだ。

一旦、エンジンを止めて再起動したら、通常の動作に戻ったそうだ。

アナログエンジニアは基本的にやっていることが論理的に把握しやすい簡単な装置を選択することが多いが、こと車に関しては最近は自動化が進んだ車種に種々センサー類を搭載した車を愛用している。

デジタル技術を駆使したコンピュータ制御と言えば聞こえは良いが、複雑化するソフトアルゴリズムの中では、小さな親切、大きなお世話的機能も存在する。そこでは、人間の感性と機械の挙動のアンマッチも起こりえる。

デジタル時代の機械は、いざという時に望む応答をするのか、いささか疑問を感じる。

また、デジタル/ソフトの闇に吸いこまれて、いざという時の挙動が操作者の感性に逆らうこともしばしばある。デジタル時代のコンピュータ制御、この可視化は人にやさしいデジタルシステムの構築には不可避な課題だろう。

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今週からコメントを承認制にしました。迷惑コメント対策です。

2010年4月12日 (月)

レーザーマウスと猫

光学系にはゴミ大敵である。パソコンのマウスもレーザーマウスは使い勝手が良いが、LEDマウスに比べてゴミには弱い感がある。

アナログエンジニアのパソコン机は居間にあり、同時に家猫(チャー君)のテリトリーと重なっている。パソコンを起動すると、幾度か猫がモニターの前をゆっくりと往来する。飼い主にとっては、モニターへの視線を遮るように猫がわざと行動しているように見える。

せっかくの光学マウスだが、配線はポリエチレンスパイラルで猫食害対策を施しているのでケーブルはかなりゴワゴワになっている。

猫がキーボードを踏むことはほとんどない。脚の感覚にとって心地が悪いのかよけて通る。

しかし、しかし、猫の毛は机のあちこちに存在する。

昨日、レーザーマウスが不調になった。猫の毛が受光部にかなり引っ掛かっていた。裏面にある光学系はむき出しであるから、精密ピンセットと綿棒で清掃。これだけで機能は完全回復した。

何度もマウスは分解しているので構造はよくわかっている。マウスはふつうカスタムLSIを使用し、特殊パッケージを使い光学系の一部まで一体化している。だから、現在はとても安い値段で高性能品が手に入るのだが・・・。

その代り、修理しようと思ってもいじれる部品はほとんどない。光学面の清掃と、スイッチ部の接点回復位がやっとである。

カスタムLSIの採用のおかげで、その道の専門家でない限りエンジニアでもマウス程度の装置でも既にブラックボックス化している。おそらくこのような信号処理をやっているはずだと憶測はできるのだが、それを確証できる機会は少ない。

技術コンサルティングをしていると、たまには憶測が確証に変わり、作る立場での設計方針などが見えてくることがある。もちろん、守秘義務をともなっての技術知見であるが。

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013 庭は各種水仙が花盛り。

2010年4月 9日 (金)

回路屋の育ち方13

アナログエンジニアは36歳のとき、深い挫折を経験している。その後、数年間にわたり、どん底のエンジニア生活を送っている。自分も苦しかったが、「我が家のさち」はその時代の私を支えてくれて、3人の子供たちをきちんと育ててくれた。感謝。

失意の時代は、また、自分の技術領域を広げた時代でもあったが、この期間には殆ど特許を取得していない。

自分が満足できる仕事と、自分に重荷になる仕事の範囲が狭くなっていた。失意と不安の日々の生活の中で回路とセンサに関する仕事なら、なんでもやった。やらざるを得なかった。その結果、今の自分がある。

失うものは何もないと思っていたから、会社組織の中で結構斬新な回路設計もいくつか行っている。トラブル対策や失敗開発の再チャレンジなどを多く手掛けた。

苦手だったインダクタンスや各種トランスの扱い方にも習熟できた。未知の世界であったフォトンカウンティングなども手掛けた。

当時の仕事のなかには、電磁流量計の条件付き相似測の定式化もある。電磁流量計は商用周波数励磁から方形波励磁、ハイブリッド励磁へと変遷を遂げていた。また、電磁流量計は水の滴り落ちる程度の流量から、東京都の取水本管の流量まで広い範囲がシリーズ化されていた。これらの要素を加味し、シリーズの設計指針、2次的な設計要素がどうあるべきかを検討した。

きれいな形に整理することができた。

この失意の期間のなかで、人間模様のなかでエンジニアの意思を通すすべも学んだ。

人生は順風万帆とはふつういかない。

逆境の時にこそ、自分の人間的、技術的成長がある。

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004

2010年4月 8日 (木)

短くした引尺

現在使っている弓はコンパウンドボウ(複合弓)

私は標準より腕が長い。しかし、その長さは上腕は人並みで、前腕が著しく長いのだ。

従って、射の構えに入るとき、右腕(引き手)の指が、人に比べて顎の前まで出やすい。

無理に標準的構えを取ろうとすると、右腕の肘の位置がかなり後ろに回る。楽に射てる姿勢だと、指を弦に付けることができない。

最近は引き尺を0.5インチ縮めて、手首リリーサを使って少しでも身体的なミスショットの原因となる緩みを軽減しようとしている。右腕指先を顎に固定できないから、照準能力も劣る。

若い頃、胃腸の弱かった私には、格好の筋力トレーニングとなった。背筋・僧房筋が弱いと前かがみ姿勢となり、胃腸を圧迫する。これを修正するのに最適だったスポーツである。

今も週2で続けているが、この年では現状がやっと。

アーチェリーを通じて知ったことは、標準の道を肉体的特徴、思考力の特徴に依存して、適・不適があるということだ。

精神面・肉体面ともに個々は特徴をもつ。

それらの特徴を自覚して、納得のいく生活をこれからも送りたいものだ。

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2010年4月 7日 (水)

消えた回路形式

アイディア倒れの信号処理回路もたまには日の目を見る寸前まで実験されることがある。

自由な発想と実務とは異なる。

消え去った回路形式の概要は、微小信号の同期整流をオペアンプの電源のオン・オフで制御する方式であった。私の作品ではない。

チョッパ素子をオペアンプ電源でスイッチングして精密整流を行うことを骨格とするこの回路は、性能が出るときには良いが、性能のばらつきが大きく性能要因も複雑である。とくに、過渡的なオペアンプの挙動が不明確で、量産の前段階で没になった。没にさせた。

生涯生産ユニット数10万台の回路では、簡明が重要である。1ロット内でポチポチ直せないユニットが出るようだと生産に困難を生じる。

真に合理的・安定な回路はち密な検討の上で、無駄を徹底的に省いたものだろう。

一般的に、量産規模が大きいほど、性能不良品の出現頻度を小さくしておく必要がある。そして、量産規模が大きいほど設計費に比べて部品代・調整コストが大きくなるだろう。

新規に見える回路は、それなりの未知のリスクを伴う。そのリスクをきちんと処理し、制御できる生産工程まで持っていくのがアナログエンジニアの仕事の一つである。

1個のチャンピオンデータだけで、製品を世の中には出せない。学術論文ならそれでもよいかもしれないが、物つくりは顧客を実験台にしてはならない。

回路構成が簡単で部品数の少ない回路は、良い回路の条件の一つである。しかし、その中にも、明解さは求められる。

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2010年4月 6日 (火)

回路屋の育ち方12

定年退職までの8年弱の間、部門を超えての既存回路の改良と新規設計、開発の指導にアナログエンジニアは力を注いだ。それができる立場を与えられた。

既存回路の改良設計を受け入れてもらうのは案外難しい。過去の歴史を背おっているからである。そして、当座は問題なく生産されているので変革を受け入れる意識が希薄であった。きちんとした問題提起と十分な解析とだけではなく、品質保証部門などの力添えもあり、急ぐものから弱点部を補強、改善していった。

このような時には、できれば基板は変えない方策が第1選択枝、基板を変えるチャンスがあれば、回路の細部まで解析しレイアウトまで提案する。今、動いているのだから・・・という声もあったが年数が経過するにつれ、進めやすくなっていった。もちろん、上層部の強いバックアップもあり、もっとも幸福なエンジニア時代だったともいえる。

いろんな機種のいろんな回路を手掛けた。解析した。トラブルシューティングも数多くこなした。なかには、角度の0.1秒をきる計測や1pAが問題になる電流増幅もあった。

同時に回路屋さんの教育にも力を入れて、教育資料の作成も兼ねて、1年間に3冊の本を著したのも、この時期である。

走馬灯のごとく過ぎ去った歳月だが、回路屋になって良かったと思うことができた歳月である。退職直前には、異例であるが退職講演も社内で行わさせて頂いた。

今、アナログエンジニアは技術士としての活動も行っているが、産業分野の異なるアナログ世界も知ったことはとても有益だったと考えている。

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2010年4月 5日 (月)

デジタル時代のアナログ

世の中はデジタル機器が氾濫している。そして、その操作性は年寄りには覚えにくい。

Aボタンを押して、Bボタンを押すとある機能がでる。考えてわかる操作ではないのが普通なのだ。

デジタル時代のアナログ回路は微妙な時を迎えている。

デジタル回路はブラックボックス化の進行が激しい。論理回路やシーケンス回路もブラックボックス化のレベルを下げればアナログ回路技術だが、今や、半導体メーカーの一握りの回路やさんが基本回路を作り、その回路を組み合わせて機能回路を作る人がいる。規模が大きくなれば、さらに分業設計がなされているようだ。

集積回路プロセスで実現できて市場が大きければ、集積回路化されてその部分は見えにくくなっている。

しかし、ひとたび、集積回路化しにくい条件があると、トランジスタ・ダイオードレベルまでさかのぼって設計することが要求される。

自然界との接点であるアナログ回路は、ブラックボックス化のレベルが低く自然法則や様々な物理現象と対峙せざるを得ない。自然界の現象を発揮させる信号処理がアナログ回路技術であるのだが、アナログ回路もまたブラックボックス化してきている。

様々なセンサ・計測機器も同様で、測定原理をきちんと説明した技術資料が次第に少なくなってきているような気がする。

アナログエンジニアはアナログ世界でのブラックボックス化の進行を憂える。見えない世界は子供たち、学生の興味を引き付けるのは困難になるからだ。理科離れの進行は世の中に出回っている機器のブラックボックス化と同期しているのか。

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2010年4月 2日 (金)

半導体ひずみゲージの観測値

半導体ひずみゲージはひずみPと温度Tの高次項を含む関数として観測される。

温度に関してもひずみに関しても線形ではない。

したがって、基準温度の抵抗RoにPとTの高次までの項を含む2次元多項式として観測される。

R(P、T)=Ro(1+AP+BT+CT^2+DP^2+EPT+FP^2T+GPT^2+HP^2T+IP^3+JT^3・・・・・)

AからJまでは各項の係数である。

Pを含む項が感度、Tを含む項が温度係数であるが、高次項を含むので単純ではない。T^2乗項は温度係数の非線形性、P^2項は感度の非線形性である。交絡項のPT項は、感度の温度依存性であり、同時に抵抗温度係数のPへの依存性でもある。

P,Tの3次項まで考えると、感度の非線形性の温度特性(P^2T)=感度の温度依存性の圧力依存性などの複雑な項がでてくる。

アナログエンジニアはR(P,T)=Ro(1+AT+BT^2+CT^3)(1+DP+EP^2+FPT+GP^T・・・)の形で考えることにより、センサ特性とその表現式を整理して補償法を考えた。

高次項を含むセンサを扱う際には観測手順に沿った関数形のモデルを作ることが大切だと思う。

勝負はその後、高次項を表面化させない補償法がセンサの上限性能を決める1要因となる。高精度センサでは、すべての3次の項までの存在を前提として、温度補償回路などを考えていく。

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2010年4月 1日 (木)

猫に負けない障子紙

ペット特に猫を室内で飼っていると、和室の障子紙を破られる。ひとたび爪痕が障子紙につくと爪の引っ掛かり具合が良くなるので、猫の前脚が届く範囲はべりべりにになるまで破られる。ベリッの感触が、猫には面白いらしい。

今回採用した「猫に負けない障子紙」で対抗することとした。

障子紙の名前は付いているが、プロピレン-不織布-プロピレンの3層構造のフィルム。プラスチックだが、見た目は普通の障子紙の様に見える。

専用両面接着テープで貼る仕様。

表面に引っかかりがないことと、強度があるので簡単には破れない。チャロメ。

試しに1室だけ採用した結果は、猫の爪は紙に立たない。滑る。したがって、猫には面白くないのでその部屋では爪研ぎをすることは殆ど無くなった。

探せばあるもんだ。猫に負けない障子紙。

猫は日本猫の雑種で乳離れしてすぐ我が家に来たので、「我が家のチャトラ」のチャー君の愛情表現はもっぱら爪と牙。電源コード、通信ケーブル、充電器、PCのマウスのコードみんな噛まれた。おもにポリエチレンのスパイラルカバーで防御してるが、使い勝手が悪くなる。

我が家ではいつの間にか猫中心の生活になりつつある。外出の時には猫との駆け引きに時間がかかる。外出の気配を感じると、玄関近くの階段中ほどに陣取り、隙を見て外出しようとする。以前は外出を取りやめるふりをしたり、玄関ドアを少し開いて近づいてきたところで捕まえて居間に閉じ込める手が成立したが、今はこの手は我が家の猫には通用しない。

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