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2010年4月15日 (木)

ひずみゲージ増幅器

金属線ひずみゲージは通常120Ω程度、特殊なものでは350Ω程度のゲージがある。自己加熱を回避するため、駆動電圧は1~2V程度である。ゲージファクタは約2である。従って、出力電圧は1V×2×ε(ひずみ、1000μストレイン)≒4mVが4アクティブゲージでの期待出力になる。2アクティブゲージならこの半分、1アクティブゲージなら1/4となる。

DC信号の数mVを増幅することは、現在の低ドリフトオペアンプなら楽に扱える信号レベルである。(昔はチョッパアンプを使っていた)

使用する回路は、ゲージを含むホイートストンブリッジ+計測増幅器が標準的である。

問題はゼロ点調整機構である。ひずみゲージの抵抗ばらつきは0.1%から0.2%程度ある。接着時のひずみでも抵抗は変わる。

従って、最大ひずみの100%を超えるオフセットを電子的に調整することが必要で、ブリッジの中に可変抵抗を組み込む。ゲージ抵抗値は120Ωと低いので、0.1~0.4Ω程度の小さい抵抗範囲を調整することになる。

ふつう、多回転可変抵抗に並列抵抗を付加して、分解能と可変抵抗の抵抗値を適当な値になるように設計するが、それでも、調整分解能が不足するケースが多い。租調整と微調整の2段階で注意深く、調整機構を構成する。

半導体ひずみゲージでは、もっと信号レベルが大きく、抵抗ばらつきは大きい。半導体ひずみゲージを使用する場合は低ひずみの測定が目的であるから、フルスケールの抵抗変化に対し、調整代は相対的に大きくなる。半導体ひずみゲージは線膨張率が小さいので、熱ひずみの影響を受け、ゲージファクタの温度依存性もある。

いずれにしても、初心者にとっては、ひずみゲージ増幅器ではゼロ点調整機構が最初の関門になる。

アナログエンジニアは、技術者生活の中で幾度も種々の目的のひずみゲージ増幅器を設計してきた。そして、常に、アンプその物ではなく、調整回路の設計は目的に応じてカスタマイズしてきた。多くのセンサでは、調整方法=原点のトリミングが最大の課題となる。

こんなこと、日本の教科書にはほとんど書いてない。

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