回路の間欠不具合
電子回路の間欠性不具合や再現頻度の少ない不具合の元凶を特定するには、最高の知識・技術と努力が必要だ。
アナログ回路なら、不具合は一過性であることが多く、進行する可能性すらあり得る。回路のバイタルポイントを熟知していないと改良には繋がらない。また、サービスマンの支援も必要だ。
デジタル回路では、もっと困難である。最近では不揮発メモリの進歩によりイベントログを残す仕組みを備えることも多い。
しかし、大規模デジタル回路を含むリアルタイムシステムとなると、簡単ではない。種々の割り込みが入るとともにアナログ系の誤動作もあり得る。ソフトバグも皆無とはいえない。
それでも、回路の間欠不具合の対処の誠実度は、その業界の風土を表すこともある。
いくつかの自動車メーカーでは、不再現トラブルに対しては冷淡である。再現しなければ何もしてくれない。キーレスエントリーシステムでは2車種で経験し、1社は不対応、1社は対応してくれた。
先日のエントリーでの駆動系の制御不具合はまだ未解決。ディーラーは車を預かってもう10日も経過している。再現しないと本部、さらにはメーカー本体が動かないとの話である。
約4万km走行で、1回のトラブルだが、車がまともに動かなくなるというトラブルで、怖い。
イベントログにはそれらしい記録は残っていないそうだ。
再現しにくいトラブルへの自動車業界の対応は押し並べて感度が鈍いのではないか。このような状況では、私はHVやEVカーに乗る自信はない。昔はオールメカだったから、条件が整えば、それなりの対応ができたのだが・・・。
何よりも、メーカーがシステム構造を明らかにしないので、アナログエンジニアとしては自力での原因個所の特定ができないのだ。そして、自動車業界のいくつかはそのような再現しにくい重大トラブルへの対応をまじめにやらない、やれない体質となっているのではないか。
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