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2010年5月 7日 (金)

回路屋の育ち方17

アナログエンジニアは残業のための残業は良しとしない。私の美学だ。

残業に対する見方はメーカーによっても種々異なる。多くの日本の会社では残業=頑張っている の美徳になるが、残業を極力させない会社も少なからず存在する。

残業パターンを分類するなら、昼間仕事の密度を薄め、残業代を夜遅くまで稼ぐケースもある。

下手な段取りの仕事で、自分の失敗をつくろうために夜遅くまで働いているパターンもある。自分のミスで仕事を増やし、残業で取り繕っているのだ。

このような非効率的な働き方は、設計業務に多い。私は、恒常的に残業する設計者はミスが多いことを経験的に知っている。

長時間残業をやれば、ふつうは判断ミス、作業ミスが出やすいうえに自己啓発のレベルが低くなる。しかし、多くの残業者の方が収入は多く、上司の受けが良いのが悲しい日本の現状である。

もちろん、時間で作業するワーカーには当てはまらない。また、開発の最後のステージであるプログラマ/SEも、開発の遅れ(実際は無理な日程の設定)の始末のため残業することが多い。

日本の相対的貧困さ、豊かさを感じさせない風土は、中身を問わず量をこなした人間が評価されやすい人事評価システムにある。

残業に頼る開発は、その成果物の品質はいかほどか。同じことは強く研究者にも言えるのではないか。いや、金を貰い国費を使う研究者には2流の人間はいらない。類似研究に群がる2番煎じの研究が多くなされていることも強く感じている。

業務でも教育でも長時間残業スタイルに頼らない社会システムを作る必要があるのではないか。スマートな研究開発ができない教授者からは質を重視する生活スタイルの実務者は生まれないような気がする。

大学から輩出する人材の多くは、研究者ではなく実務者になる。研究者になるための訓練重視の大学教育で本当に良いのか私は疑問を感じる。

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随想」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。
現在メーカー子会社にて一部回路設計に関わっている者です。

僕は元々基礎物理学出身なのですけど、大学で研究者になるための訓練をしているような印象はありません。物理ではカリキュラムをこなすことで研究者になれる人はいないと思います。
工学系の学部では違うのでしょうか。

kazimaさん コメントありがとうございます。
私は工学部の物理出身ですが、大学の先生になる条件は学術分野で活躍し、博士の学位を持つことが条件です。このため、実務の世界とはかなり価値観が違うように思います。
 同じような教育をされても、微妙に伝える感覚が異なるように思います。もちろん、大学の学部だけでは研究者の卵まで到達しません。学術では独創性、新規性が重視されます。しかし、実際の物は、重要な部分ほど実績ある古い原理で動いています。ご指摘の点は、いつかもっと根拠をしっかりさせて、違う表現でトライしてみたいと思います。

お話の内容を考えると、実務で実際にやっているような手法については教えないという意味ではなさそうです。

学術的なものづくりと金儲けのためのものづくりが別物であることは民間に来てみて改めて実感しております。論文よりも特許、性能よりもコストなどの考え方を橋渡しするものは、経営工学というジャンルになるような気がしています。
それはそれで金儲けには必要なことなので、学生のうちに情報処理試験のひとつでも受けておく(試験を大学でカリキュラム化、専門学校では実際にやっている)とそういう感覚が養えるのでは。

まだお話の意図を理解していないような気もしますし、残業と実務の話とはだいぶずれている気もしますので、また改めてエントリーを拝見することにしましょう。

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