ウィーンブリッジ発振回路2
ω^2=1/(C1C2R1R2)で発振周波数が決まる。周波数の温度安定性を考えると、温度補償型セラミックコンデンサかシルバードマイカコンデンサなどが選択肢となる。抵抗とコンデンサの標準数を考えると、コンデンサの数値の方を先に決めることになる。
問題は利得条件である。
オペアンプの利得条件より高利得の時、ノイズが種になって成長する。定常状態では、厳密にかつ素子ばらつきも含めて利得条件に一致させる必要がある。
このためにはGNDに接続されているR3の一部に電圧制御可変抵抗を使用する。出力電圧振幅に応じた(通常は整流・平滑した)信号と基準値を比較し、電圧制御可変抵抗を制御するのである。
電圧制御可変抵抗には接合型FETを低い(数10mV)D-S間電圧で使用するのが簡単である。よくランプを使った例を見かけるが、オペアンプの出力とランプ定格との兼ね合いで、必要なAGC範囲を得ることが案外難しい。
接合型FETに掛ける電圧は適度に少ない方が良いので、
利得条件 R4/R3=R1/R2+C2/C1 でR4/R3の比を大きくするようにR1/R2+C2/C1を定めることもある。
また、整流平滑した後、基準電圧と比較し増幅するので、接合型FETのゲートに発振周波数に対応したリプルがかかり易く、波形歪みの原因となる。
R3の一部をJ-FETにすることにより、R3の値の範囲に制約がつく。
振幅安定性の観点からは、AGC回路による帰還量を増やしたいが、先のリプルとの兼ね合いでむやみに帰還量を増やすことは得策ではない。
なお、J-FETのD-S間抵抗の温度依存性が0となるバイアス(AGC電圧)条件があるので、実働条件で0温度係数付近になるよう調整する手段もある。
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