IC時代のアナログ技術
量が出るアナログ機能回路はどんどん集積化されている時代となった。40V以下(±20V)の回路で高パワーでなければ、多くの回路が集積回路に少ない外付け部品で実現できる時代となった。
集積回路時代のアナログ回路は、多くの回路設計者が半導体メーカーの推奨する式に従って回路定数を定める作業により回路ユニットに組み込まれていることを意味する。
しかし、ひとたび集積化できない仕様や、数量の点で集積化できない機能を実現する場合には、トランジスタ・ダイオードレベルからの設計が含まれる。このようなアナログ回路はシステムの基本性能を決めることが多いのだが、入門者にとって一人前と見なされるレベルがよ高くなることを意味する。
集積化時代のアナログ回路屋は次の3極に分かれていくのではないか。
1)大多数を占めるアナログICを使った設計者
2)アナログ集積回路を造る半導体メーカー内の設計者
3)ICでは実現できない性能・仕様のアナログ回路の設計者
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アナログエンジニアは3番目の世界で主に仕事をしている。自然界の情報を得るセンサや自然界に働きかけるアクチュエータ関連のアナログ回路が主体となる。
そして、半導体メーカー内のアナログ回路設計者もまた、分業の世界にいるようだ。半導体プロセス屋さん、素子パラメーターを測る人たち、単位機能を設計する回路屋さん、それを組み合わせてシステム化する人たちがいるはずだ。
分業化の進展に伴い、自然界=アナログな世界との接点が希薄になっていくのは時代の流れかもしれない。
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