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2010年6月10日 (木)

商用電源整流回路

多くの電子回路は単相商用電源を利用する。その構成要素は、電源変圧器、整流回路、コンデンサ、概略抵抗性負荷からなる。

この回路構成は簡単には解析的に解くことができない。元電源たとえば変圧器の内部抵抗を考慮すると、整流ダイオードの存在のため非線形回路になり流れる電流波形は正弦波でなくなる。

交流を整流すると実効値の√2倍の電圧が出るなどの説は、まったく実用にならない。

現在の電子回路が必要とする電圧は15V以下のことが多く、ダイオードの順電圧を無視できない。電源整流+コンデンサ平滑だけでは電源品質が悪いので、ふつうその後段に安定化電源回路を組む。このような構成で、商用電源の変動幅±10%を考慮し、ドロッパ式安定化電源回路での電圧降下を考えると、変圧器の公称出力は、必要なDC出力電圧とほぼ同じ程度必要になる。

変圧器は、抵抗負荷で定格負荷電流の時公称出力電圧が出るように設計されるので、軽負荷時には電圧が上昇する。(電圧変動率)部品の耐電圧も注意する必要がある。

整流器は信号用ダイオードに比べ高い電流密度で使用するので、シリコンダイオードだと1Vを超える順電圧で運転されることも珍しくない。

コンデンサはその電流定格とリプル率の兼ね合いで、リプル電圧は0.5-5V程度にならざるをえない。

たかが、変圧器を介し商用電源を整流する回路であるが、設計レベルで扱うには結構難しいのである。

非線形性問題なので、シミュレーションを用いるか、設計図表を使わないと扱いきれないのである。

アナログエンジニアは整流平滑回路を設計技術解説の最初に持ってくることはしない。

解くのが難しいうえ、過渡応答の問題も含むからである。

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