オームの法則の向き
オームの法則はV(電圧)=R(抵抗)・I(電流)であることは良く知られているが、電圧・電流の向きに注意を払わない方が結構いるのだ。電圧・電流の向きに留意しないと、次の段階でのキルヒホッフの法則のところで、大抵つまずく。そして、回路解析を試みようとする気をなくすケースが結構多いのだ。
オームの法則は電圧源と抵抗の間に成り立つ関係ではなく、2端子素子である抵抗において成り立つ法則である。
抵抗の電圧の向きに対して電流の向きは逆方向に取る。抵抗のシンボルマークを上下方向に描くなら、電圧の向きをたとえば抵抗の下を基準として、上方向に電圧の+の向きと考えれば、電流の正の向きは下向きに取らなければならない。
このようにとってV=RIが成立するのだ。
もちろんVの中身が負値なら、Rは正の値であるからIも負値となる。すなわち、最初設定した向きと逆方向に電流が流れると考えるのである。
Vの向きとIの向きが逆なので、抵抗は常にエネルギーの消費者である。
オームの法則で向きを強く意識しないと、キルヒホッフの電圧則のところで正確に正負を表現できなくなる。
アナログエンジニアは初心者に回路を教えるとき、オームの法則を抵抗において成り立つ法則であるとともに、その式が成立するように向きを強く意識させる。
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