オペアンプ回路の帯域
オペアンプを用いた実利得1000倍程度の高利得アンプでは、DC特性を優先的に選ばざるを得ないので、周波数特性を伸ばしにくい。
たとえば、利得帯域幅積が1MHzのオペアンプを用いると、実利得1000倍では1kHz(-3dB)になってしまう。
この制約を緩める手段として、2段のオペアンプで増幅する方法がある。
同じ品種のオペアンプなら、利得配分を√1000≒30づつにすれば、3帯域は30kHz(-6dB)となる。この場合、高周波では-40dB/桁となってしまうので、過渡応答上不都合が生じる可能性がある。
約1桁の間、1次でロールオフする方針なら、初段100倍、2段目10倍の利得配分にすれば帯域は10kHz(-3dB)となる。これでも10倍帯域が広がる。
さらに、初段にDC特性の優れたオペアンプを用い、10倍程度利得を稼ぐ。次段はそこそこにDC特性が良好な高速オペアンプを使えば、帯域を100kHz程度まで伸ばすことが可能である。
外部位相補償ができる高精度オペアンプが入手しにくいので、アナログエンジニアは若干のコストUPと引き換えにこのような手段をとることもあるのだ。
外部位相補償タイプか、利得100以上で安定でその代り100倍高速な高精度オペアンプがあれば、こんな手段は使わんくとも良いのだが・・・・
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