オペアンプのPSRR
オペアンプのPSRR(power supply rejection ratio)は、電源からのノイズが入力換算でどの程度混入するかの指標で、周波数の関数です。
汎用オペアンプだと1MHzで数dB、信号として扱える周波数特性と大体同じオーダーです。高周波ノイズになると、もう殆ど電源ノイズがそのまま出力に出てくるのです。
データーシートのPSRRの周波数特性図をもとにオペアンプの電源品質を確保するわけですが、扱う信号レベルが低いと相対的に電源に混入する高周波成分を抑制する必要が生じます。
スイッチング電源などはスイッチング周波数に同期したスパイク性のノイズを発生しますので、フィルタを入れる、3端子レギュレータで2段に安定化する、などの対策を行います。
電源品質が悪いと、PSRRを介しオペアンプの出力が変動しますから、低レベルの信号増幅では大いに問題になります。
オペアンプの入力レベルが決まれば、必要な安定度に応じ、電源のノイズも抑制しなければなりません。SW電源のみだと、数10倍もオペアンプの出力ノイズが増える場合もあるので、精密アナログ回路では電源にはいつも注意を払います。
なお、回路シミュレータのオペアンプのモデルは、オペアンプの内部回路を再現したものでは通常なく、マクロモデルで作られており、PSRR特性まで表現したものではありません。
オペアンプの電源ノイズ影響を見積もるのに、SPICEを使うのは自殺行為に等しい。
回路は電源に始まって、電源に終わる感もあります。
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