センサに必要な性質2
センサという概念は人によって立場に依って異なるが、物理・化学量などを電気信号に変換する部分とアナログ回路とデジタル部に分けて考えると少しは見通しが良くなる。
アナログエンジニアは変換部を入力にして、デジタル回路おもにA/D変換回路が受け入れられるレベルまでの信号処理を扱う。
変換部(狭義のセンサ)は少なくとも、入力測定量に対して、その出力は単調増加、または単調減少でないと非常に扱いが難しくなる。多くの変換部では、入力測定量とその電気信号が単調増加または単調減少の範囲で使用する。
変換部に磁場・電流・電圧などで駆動(励起)するものの方が一般的に多様である。測定対象からのエネルギーを直接電気信号に変換するタイプのものは、測定対象からエネルギーを取るので、測定対象の状態への影響が大きいか、または変換部からの信号レベルが小さい。
前日のエントリーでは「再現性」について記したが、今日は、「単調性」も話題にする。
単調でない変換部は、変換部からの信号が複数の物理・化学量に対応するため、殆ど実用化されることはない。変換部の材料、励起回路などを工夫して単調性の信号を得る必要がある。単調性の確認は、生信号を精密なアナログ回路で測定しやすいレベルまで変換して行う。外乱が多いと、変換部の特性を再現性良く、測定量と対応させることが難しい。
センサは今や様々な機器に黒子の様に組み込まれているが、その裏に材料開発、構造設計、製造プロセス、アナログ回路が存在する。しかし、センサの中身・構造・測定原理など、センシング過程が開示されることが少なくなってきている。
センサなしに便利なものは作れない。自然界の情報を得て、自然界に働きかけなければ自動化はないだろう。その中で、センサは自然界との接点となっている。
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