72年毎の伝承
近隣の村に72年毎に行われる祭りがある。72年の開催間隔は一生に一度しかない祭りとなる。開催に際しては祭りの経験者はまずいないだろう。文書や絵図で次世代に伝えているのだろう。祭りの道具、衣装などはどうしているのだろう。
シリコン半導体が生まれて数10年、アナログエンジニアは幼少の頃トランジスタラジオに触れた。今は専用ICで少ない外付き部品で安価に供給されている。
同一の基本設計のアナログ回路の寿命は長くても20年足らずである。それでも、次世代に設計技術を伝えることはかなり難しい。設計図や設計検討書を残しても、2世代を経過すると読む人の技術的素養が異なってくる。
アナログ集積化時代になると、多くの回路屋絵さんは内部回路に立ち入ることなくアナログ回路を構築できる場合が多い。そして、ICの中身を知る人はICメーカーの中のほんの一握りの人間しかいないだろう。
それでも、集積化できない範疇の回路は、いまだに個別部品を交えてトランジスタレベルから回路を構築している。
ひとたびアナログ回路の世界で、ブラックボックス化されたICで対応できない機能を実現しようとすると、様々な技術伝承の問題を生じる。
便利なものが身の回りにあふれている時代だが、その中身を把握している、把握できる方は極めて少数だろう。
世の中の理系離れは、技術の裏舞台を見せない時代と表裏一体かもしれない。
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