電子回路離れ
理系離れ という言葉が使われだして久しい。アナログエンジニアは若者の電子回路離れ、特にアナログ回路離れをを強く危惧している。
デジタル回路は多くの回路設計者にとって、出来上がるものはハードであっても、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)などでは、回路構成をプログラムしてその情報をFPGAに書き込む工程が大半を占める。マイコン搭載のLSIでもハードに立ち入ることなくファームウェアの記述のために、分厚い技術資料を読み、他のLSIとの選択・接続の情報を得る。
デジタル・アナログともに主要素子はトランジスタなどであるが、トランジスタレベルまで遡って設計しなければならない回路部分は、自然界とのインターフェースであるセンサや電源回路・アクチュエータ回路などLSI化しにくい部分である。それだけに高度な技術が必要になる。かなり泥臭く、自然界の現象も知っておく必要がある。企業内上層部にも理解者が少ないのではないか。
電子回路の発達により、子供たちの周りには様々な便利な電子機器があふれているが、それらが行っている技術内容は子供たちから見れば完全にブラックボックス化されていることだろう。
アナログ・デジタル混在のLSIの設計はおそらく様々な階層で分業化して作られている筈であるが、半導体メーカーの設計者においても、なかなかぜ全貌は見渡せないのではないか。
回路屋として生き延びていくには、普段の勉強・自己研鑽がないと時代の流れについていけないが、その努力に見合った待遇も十分とはいえない。
本来は、子供のころに種々の理系的体験が成長して後の工学センスに繋がる筈だが、見えない、見えなくなった物つくりの後継者育成は多大な系統的教育が必要となる。
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