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2010年7月 2日 (金)

インダクタンス電流

多くの電子回路屋さんはインダクタンスが嫌いである。その一因として、インダクタンスを理解するには電流波形測定が欠かせないからである。インダクタンスはV=-LdI/dtで電流変化率が電圧と釣り合うためである。

電子回路で電流波形を測定するには回路の一部を切り、既知の抵抗を挿入しなければならないからである。抵抗の値や電力容量も考えなければならない。クランプオンDC電流プローブは大きすぎるか、感度が足らない。いずれにしても、測定のため回路に別の素子を挿入する形になるので、その影響を考慮しなければならない。

アナログエンジニアはインダクタンス電流値を概算し、抵抗での電圧降下が0.1Vくらいで測定することが多い。低すぎるとオシロスコープの感度が足りないし、高すぎると回路状態への影響が大きくなる。

インダクタンス電流の予測と言っても1桁程度で当たれば良いのだが、それでも、それなりの回路理解が不可欠である。

インダクタンスの電流は着目する時間において急には変化できない。端子電圧は速く変化することができる。荒い表現をすれば、インダクタンスのスイッチングにおいては、しばらくの間インダクタンス電流はもっとも流れやすい経路を元の電流値を維持したまま流れる。電流方向はこれで決まる。

流れる経路が判ったら、インダクタンスの端子電圧が判るので電流の時間変化率が計算できる。それを実測することがインダクタンスを実感させる。

多くの場合、実在のインダクタンスLは理想的な素子ではない。少なくともLに直列寄生する抵抗成分を無視できない。並列寄生容量が問題になることもある。コアを使ったインダクタンスの場合、厳密にはL値は電流の関数である。

実在のインダクタンスを扱う際には、電流波形の実測に基づき寄生成分などを間接的に把握することが肝要である。

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