複合抵抗
複合抵抗はデジタル回路の終端抵抗などに場所の節約の目的で良く使われる。
精密アナログ回路では、抵抗比をより正確に得ることを期待して使う/作る。同一サブストレート内では、プロセス条件がほぼ同じなので、通常より高い抵抗比精度が得られる。特に、抵抗値が数倍以内のときには、注意深く設計すれば、比の温度係数は1桁前後改善される。
厚膜抵抗では、同一ペーストを使いパターンを工夫するなどして、高い比精度を広い温度範囲で実現するのである。
薄膜抵抗混在のアナログICでもこの手段が良く使われている。
逐次比較形A/D、D/AコンバータのR-2R抵抗ラダーなども、この考え方で高い比精度を達成している。
中には、データーシート上の性能から逆算すると0.01%級の抵抗比精度を達成していると推測できる品種も存在する。数少ない抵抗定数がすべて開示されている某品種では、数100kΩの高抵抗で高い比精度を達成しているものもある。
アナログエンジニアは、厚膜でも薄膜抵抗でもこの手段を幾度か使っている。
抵抗比精度が1桁近く向上すると、精密アナログ回路では明瞭な性能向上ができる場合がある。
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