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2010年8月24日 (火)

商用電子回路変圧器

数Wから数10Wの商用電子回路変圧器の選定の基準は平滑後の出力電圧と出力電流である。この選定が案外難しいのだ。電子回路を専門にする大学の教授様でも、商用周波数の小形変圧器のサイジングができない方も少なからず存在する。当然、現役の電子回路設計者でもかなり少ない。

変圧器の定格電圧は「抵抗負荷」で定格電流を流した時に定義されている。

無負荷電圧と定格電圧の差は電圧変動率hと呼ばれ、一般に小形のものほど大きく、負荷を取ると数%から20%位電圧が低くなるものもある。

次に、平滑回路では突入電流とリプル率とのトレードオフから、リプル電圧は0.数Vから2V程度に取られる。電子回路用変圧器では、整流平滑後安定化を行うが、安定化回路の電圧ロスも大きなファクタである。

電子回路の多くは、数V~10数Vの出力電圧が多いからダイオード1個分(センタータップ整流)や2個分(ブリッジ整流回路)の無視できない。しかも、整流用ダイオードの電圧降下は0.6-0.7Vではなく、1Vを超える条件で動作させることが多い。

流れる電流は正弦波ではなく、通流期間が短いので実効値は大きく、コンデンサ平滑ではピーク時の電圧降下が単純計算よりかなり大きくなる。

日本の商用電源は±10%許容するから、低電圧時にも動作し、高電圧時にも電力定格をオーバーしないようにする必要もある。

単純には、多くの場合、安定化後の電圧と同じ電圧の変圧器を選び、電流定格は出力電圧の1.5倍付近のものを選ぶことになる。

電源回路は非線形回路なので、詳細な解析は設計図表を使うか、シミュレーションを行うかしかない。計算には電圧変動率hの情報が必要だが、JISでは上限のみ定められており、下限は規定されていない。経験がないと実力hが不明である。

アナログエンジニアはダイオードを教えるとき整流平滑から入ることはしない。単純計算で実用レベルの予測とはならないからである。

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