フライバックトランス
1石フライバック回路は電子スイッチがONのとき1次コイルにエネルギーをため、OFFの期間に2次側にエネルギーを放出する。このため2次側で出力される電力は1周期のエネルギーであり、エネルギー収支に基づいて解析を行う。
実際にエネルギーが蓄えられているのは、コア=磁性体だが、1周期の間に蓄積するエネルギーはP1=L1Ion^2/2として計算する。L1は1次インダクタンス、IonはON期間の最後の電流である。
また、IonはVsTon/L1で投入電力P1=(VsTon)^2f/(2L1)となる。
負荷電力P2は P2=V2^2/RL V2:2次側出力、RL:2次側負荷抵抗
これをV2について解き
V2=VsTon√(RLf/2L1)となる。
この計算では、1次側にも2次側にも電流が流れない期間がある(断続モード)ことが前提である。
エネルギー収支で解析する代表例として、1石フライバックコンバータの断続モードを例にあげたが、非絶縁のDC-DCコンバータにおいても、軽負荷時にはON期間が短くなりコイルに電流が流れない期間ができると、本解析と同様にエネルギー収支で考えることになる。
アナログエンジニアは1石断続モードフライバック回路を出発点として、各種の回路形式におけるSWコンバータの解析手法を学んだ。
軽負荷あるいは負荷解放時の挙動を記載している書籍は少ないが、エネルギー収支でも解析できなければ信頼性の高いコンバータの設計は厳しい。
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