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2010年9月15日 (水)

ハイサイドスイッチング

多くのスイッチング回路では、制御回路のGNDと共通の電位を基準にして主スイッチング素子を駆動するが、複数の主スイッチング素子を使う場合、主電源を基準として駆動するハイサイドスイッチングを行う場合が生じる。

この際には、ハイサイドスイッチング素子の駆動は、GND基準の制御信号を主電源、多くは+極性の電圧基準の信号に変換して行う必要がある。

ハイサイドスイッチにp形の電力素子を使う場合には、主電源を基準とする逆極性の補助電源が多く必要になる。n形電力素子だけで、構成する際にはフローティング電源が必要になる。

もっとも難しいのはn型電力素子だけで、ブリッジ形の高速スイッチングを行う場合であると、アナログエンジニアは感じている。多くのパワーエレクトロニクスの教本には駆動回路例は記載されていない。

では、どうするか。

まず、ハイサイドスイッチ用駆動回路の補助電源を用意する。補助電源はフローティング電源となるから、寄生容量のすくない絶縁型の小型コンバータで作る。

次に、制御信号のレベル変換である。私は、制御信号をエミッタフォロワで受け、そのコレクタ側に抵抗を介しハイサイドスイッチの基準電位にレベルシフトさせる。その後補助電源を使って低インピーダンスの駆動信号に変換する。

ハイサイドスイッチはブリッジ回路の1辺を構成することが多いので、上下の主スイッチの同時導通(クロスカレントコンダクション)を確実に回避する必要もある。この命題が案外厳しいのだ。同時導通の回避は複数の主スイッチが同時OFFの期間の存在を意味する。負荷は大抵インダクタンス性なので、同時OFF時の電流の通路、挙動をよく理解しておく必要がある。

ハイサイドスイッチングは意外に難しい。そして信頼性の要となる場所である。アナログ電子回路としては、数kW出力までしか経験していないが工夫と慎重さを要する回路技術であることは確かだ。

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