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2010年10月 7日 (木)

整流平滑回路

商用電源から電子回路用直流電圧を得るには、殆どの場合、整流後に平滑回路によりリプル電圧を軽減する。

もっとも多く使われるのが、整流回路の直後にコンデンサCを置く形式の平滑回路である。

C平滑は、起動直後の突入電流が問題になる。10数VAまでなら何も考えないでも全負荷時の電圧不足以外には特段の不都合は殆どでないが、大容量電源になるとあちこちの部品が問題になる。

まず、起動時の突入電流だが、変圧器やダイオードおよび商用電源の抵抗分と平滑用Cで決まるRC回路のステップ応答に近い電流が流れる。厳しいのは商用電源がピーク値を出力している瞬間にSWを投入するときである。このとき、単相AC100V系なら140V/Rの最大電流がながれる。Rが小さいと簡単に数10Aを超える。時定数RCが大きければ何サイクルもこの動作を繰り返す。ダイオードの過渡定格も問題になる。ヒューズの選定も難しくなる。Cが小さいすなわちリプル電流が大きいときには、コンデンサの電流定格が定常状態で問題になる。

安直な解決法は、Cに至るまでの経路に意図的に直列抵抗を入れることであるが、大きな熱損失を生じる。そこで過渡状態ではRを挿入し、起動後しばらく経過してからRを半導体で短絡する手段が使われる。短落用半導体がターンオン失敗のときの安全策(フューズ付き抵抗)が講じられる。この結果、C平滑は実効値の1.4倍ではなくて、1.1~1.2倍くらいの電圧しか得られない。

L平滑は2次側の実効値に近い出力が得られるが、負荷の急変時とくに重負荷から軽負荷への変動や電源OFF時の過渡応答に問題が出やすい。

LC平滑になると、起動時にオーバーシュートを起こしやすい。

したがって、整流・平滑回路は全波/半波波形が入力で、かつ各部のR分を考慮した解析と過渡特性(特にL、LC平滑)の検討が必須となる。

いずれの整流・平滑回路も非線形動作するので、数値解析かシミュレーションが必要である。

単相の整流・平滑回路は実用レベルでの設計は案外難しいのである。

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