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2010年11月10日 (水)

pn接合の順電圧

シリコンダイオードの順電圧は0.6~0.7V程度とされることが多いが、この値は常温でかつ通常の電流密度で使われる素子の順電圧の値である。整流用ダイオードなどでは、1Vを超えることも普通である。

順電圧Vjは順電流Ijの関数であって、

Ij=Io・exp{Vj/(mVT)-1}   Io:飽和電流、VT:熱電圧(kT/q、常温で26mV)  m:エミッション係数、1~3で表わされる指数関数である。能動状態のトランジスタではm=1と考えてよい。ダイオードではm≒2のものが多く、LEDの一部ではm≒3のものもある。

半導体物理から出てくる式であるが、非線形なので手計算では解きにくく見通しも悪い。

そこで、pn接合の順電圧特性を一定電圧に置き換えて解く訳で、順電圧を一定電圧で置き換えれば、各種の回路法則を用いて手計算でもかなりの規模の回路を解くことができる。

一般の電子回路では、回路電圧が数Vから10数Vなので、0コンマ数Vの電圧は無視するには少し大きいので定電圧近似を行うのである。ここでいう定電圧源はVjという電源にIjの値をもつ電流が流れ込む状態であって、一般の電源のようにエネルギーの供給源ではなく、エネルギーを消費する。

Vj/(mVT)は通常1に比べかなり大きいので、-1の項を無視することが多い。

大電流領域に入ると、pn接合だけではなく、直列抵抗成分も効いてくるので、電流片対数グラフ上では急激にVJが上昇する。電源整流用ダイオードはこの状態で使用することが多い。

pn接合の順電圧特性が指数関数であることから出発し、いかにして見通しの良い簡略モデルを作るかの視点から説明すれば、半導体物理に深入りすることなく半導体素子の使い方、解析方法を学べるのではないか。多くの半導体素子のユーザーは半導体物理の専門教育を受けていない。回路を解くことが優先される。

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