特許を書けない設計者
特許を書かない、書けない開発設計者も多く存在する。その理由の多くは、新規な仕事をやっていないからである。特許の出ない設計者は往々にして、技術的挑戦を行っていないからであるとアナログエンジニアは考える。
件数ノルマを課して出願特許の数を増やしても、無意味である。経済効果の少ない特許は費用対効果が悪い。
少なくとも製造業の設計者なら、グループリーダーになる前に成立した実用特許を保有していることが昇進の条件であって欲しいものだ。
有効特許を取るためには、業界の自分の担当する分野の技術的ポジションを知った上でその上を行く技術の開発が求められる。
この過程は新規である必要条件から学術論文に似ているが、実用化には新規で技術的・経済的効果も考慮する必要がある。
近年特許を書かない若手技術者が増えているような気がする。技術力不足もさることながら、同業他社の技術レベルを把握する努力をしていないだけでなく、特許出願に係る種々の手続きやその後のフォローに結構な時間がかかるためだ。
特許に係る報償規定も負担の割にインセンティブを与えるに十分ではない。発明者は将来、それなりの地位を与えられるからとの理由も多い。
高学歴の設計者はそれなりの訓練を積んでいるべきであるが、卒論、修論などを経験していても、特許には疎い方も多い。大学卒業者の多くは企業に勤める。製造業では生産技術と設計技術が生命線であるはずなのに。これでは、ハングリー精神に欠けたわがままな高学歴層の就職はますます困難であろう。日本は資源も食料もない。
大量の人口を抱えた新興国のエリートとたちと伍して行かなければ、技術立国はない。いま、日本の技術的優位性は低下しつつあるのではないか。
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