出力抵抗
次段の負荷を接続したとき、回路の出力電圧がどのように変化するかの目安が、出力抵抗である。無負荷での出力電圧(電源)と出力抵抗で回路を模擬する。
エミッタ接地回路なら、出力抵抗はコレクタ抵抗よりわずかに低い。
負帰還の強くかかったオペアンプ回路なら、単体での出力抵抗(数10Ω)は負帰還量が多いのでほとんと0Ωになる。理想オペアンプの出力に抵抗を接続した回路を解いてみれば出力抵抗が0Ωとみなせることが判る。
何気なく使っている反転オペアンプ回路の利得が-Rf/Riになるのも前段の出力抵抗が0Ωであることを前提としている。
テブナンの定理を知っているなら、電圧源と抵抗回路からなる回路が1個の定電圧源と1個の直列抵抗に置き換えて考えることができる。しかも、解いた形はきれいな形に整理しやすい。
ここまでは、「抵抗」という言葉を使っていたが、高い周波数では複素数になるので出力「インピーダンス」との概念になる。
多段増幅器では、出力インピーダンスの概念を使って、順次後段を考えていくことになる。
オペアンプによる反転増幅器は信号源抵抗の影響を受けるが、その前段がオペアンプであることが多いので、意識しなくとも多くの場合、正解に辿りつける。
大量の負帰還による効果の一つに出力インピーダンスの低減がある。この場合、出力ダイナミックレンジがそれ相応に減少する。
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