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2010年11月29日 (月)

環境温度と回路

現代の電子回路の能動素子は温度依存性の高いパラメータをもつ半導体素子が多い。温度に不安定ではないが、温度に対し強い依存性を受ける。温度に弱いのではなく、温度によって半導体素子の特性パラメータが変動するのだ。

回路定数を決める戦略の一つに、環境温度仕様に対し頑健(ロバスト)な回路になるように工夫する。コストが許されれば、回路構成は温度影響が出にくい構成を考える。

環境温度仕様は製品の分野に大きく依存し、自動車や産業用途は温度幅で100℃程度であり、理化学機器なら空調環境下が前提で、数度の温度幅で仕様を満たせればよい場合も多い。その代わり、高い精度が必要とされる。

量産ベースの回路では常温で動作した時点からが勝負である。時にはかなりのサンプルで数ロットに対して特性を測定することも必要になる。

温度影響は一つの要因のみで決まることはほとんどない。いくつかの要因が複合し、かつ相殺している場合もある。温度影響が最終的に性能にほとんど寄与しない部品もある。

同程度の複数要因が存在する場合には、大きな要因群を消去・補償する手を同時に打たなければ、少数サンプルで目立った効果は観測されない。

温度影響の設計的予測が重要である。その出発点はダイオード・トランジスタのパラメータの温度依存性に関するパラメータに関する認識である。ダイオードやトランジスタの接合電圧の温度依存性が-2mV程度と考えているうちは初心者レベルである。接合の差電圧の温度依存性に対する検討が量産への第1歩、その次には、温度係数の非線形性も問題になる。

多くの集積回路では巧みな回路構成で主要な温度要因を消去しているものも多い。

多くの物理現象が温度依存性をもつ限り、環境温度変化する素子を用いて、いかに温度影響の少ない回路を作るかは、回路における永遠の課題といっても過言ではないだろう。

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