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2010年11月22日 (月)

インダクタ

インダクタLは通常コイルをコアに巻いている。インダクタはC,Rに比べ通常の使用でも寄生素子や非線形性が表面化することが多い。空芯コイルでは、Q値を高く取りやすいが、漏れ磁束がそのサイズと同程度に広がるので、レイアウトに注意する必要がある。

インダクタの少し精密なモデルは、Lに並列に寄生容量Cがあり、その回路に直列に抵抗Rが寄生する。寄生抵抗Rは銅でコイルを形成する以上、銅の抵抗分を無視できないし、その抵抗による時定数L/Rも生じる。

リレーやアクチュエータでは、直列寄生抵抗が大きく、定常状態の電流がRで決まるように設計されているものも多い。

インダクタの寄生Cは巻き方にも依存するが、コイルの線間、層間に寄生し実際には分布容量であるが、集中定数として寄生させたモデルから出発する。

チョークコイルでは、普通、有芯コイルを使うので、使用電流値に依存してLの値が変わる。この模様は、電圧一定のパルス電圧をかけ、電流変化を観測すれば視覚化できる。Lが電流により低下すれば、V=LdI/dTだから、パルスの後縁で電流増加率が大きくなる。

コアの特性は、高電流(高起磁力)では飽和する方向にあるので、このようなことが起こるのである。

抵抗分が無視できないときには、パルステストでは、高電流領域で電流の上昇率が減少する。

純粋なL素子は普通存在しない。インダクタを使う際には、寄生抵抗は少なくとも考慮しなければならない。電流定格も存在する。

厳しいのは寄生容量との自己共振である。巻き数が大きい場合に生じやすく、場合によっては数10kHzの低い周波数で生じ、それ以上の周波数では容量性素子となる。

インダクタは電子回路では嫌われる、多くの電子回路設計者が苦手とする背景の一つに、寄生素子とコア、漏れ磁束の問題があると思う。

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