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2010年11月 5日 (金)

バイポーラトランジスタ今昔

50年ほど前といえば、小信号トランジスタはよく覚えていないが高価(大卒初任給の1/100位?)であった時代である。Geトランジスタ全盛でSiトランジスタが産業界で使われ始めた頃である。当時の先端は741に代表されるオペアンプやロジックSSIだったと記憶している。

Geトランジスタはpnpトランジスタの方が一般的で、npnトランジスタはコンプリメンタリ回路中心に使われていた。

GeからSiに半導体材料が変わり、C-E間の漏れ電流をほとんど気にする必要がなくなった。

その頃のトランジスタはhFEやVBEのばらつきが大きく、たとえば、hFEは数倍のばらつきがあり、選別によりhFEランク分けを行っていた。ランクの両端では、入手性が不安定になることもあった。信頼性も現在と比べ劣り、さまざまな故障モードにアナログエンジニアは遭遇した。遭遇できた。

半導体プロセスの進歩、パッシベーション技術、封止技術の進歩により、今やVBEのばらつきやhFEのばらつきはかなり少なくなり、きちんと設計された回路ではめったに故障しない。コスト面でも変遷があり、設計の価値観も変わった。しかし、回路解析の基礎技術には大きな変化はなかったように思う。

いまは数億個のトランジスタを集積した超LSIをデジタル回路では普通に使っている。

集積化しやすい低電圧回路で数がでる分野では、アナログ回路もカスタムLSI化が進み、その中身がブラックボックス化してきている。汎用品の性能も向上した。同時に、個別部品の入手が近年難しくなってきているような気がする。

そして、トランジスタレベルから作るアナログ回路に触れる機会のある一般ユーザーは、半導体メーカー以外では、コスト圧力の強い量産品と少数の精密アナログ回路、電源の一部の分野の人になってしまった。

回路教育はトランジスタから始めることになると思うが、現在の回路技術の先端に到達するのは結構厳しいものがあると感じている。

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コメント

松下電器の2SA70が当時2千円、コーヒーが1杯50円の時代、高くて学生では買えませんでした、大学に入った頃は、Si,半導体素子が格安となり実験回路に使いました、ゲルマニウムトランジスタには、サーミスター、で温度特性を保証していました、アマチュア無線機には2SC799、で送信回路を組み、6石スーパーラジオは2SA157,2SB56、オーディオアンプはコンプリメンタリーやダーリントン回路で組みました、学校では真空管回路しか教えられず現場では集積回路で、教師がハイテク半導体回路が教えることができず、卒業生が現場で大変困りました

私はいつも過渡期にぶつかっています。高校時代はベクトルを習わなかった最後の年、物理はMKSAとCGS系混在の時でした。
設計者としては、Siトランジスタ、初期のアナログIC、SSIの時代でしたので、古い真空管のみならず、マイコンも本格的に設計する機会を逃しました。

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