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2010年12月15日 (水)

DC-DCコンバータの解析

降圧形DC-DCコンバータや絶縁フォワード形コンバータの解析では、大抵、状態平均化法と呼ばれる手法での解析例が示される。

定常状態では、チョークコイルを流れる電流が1サイクルで断続しないこと(連続モード)、出力コンデンサが十分大きく出力電圧が1サイクルの間変動しないとみなすことができるとの前提の下、元電源Vpと出力電圧Voの比が電子スイッチのオンデューテイDの関数として表わすものである。

例えば、降圧形DC-DCコンバータでは Vo=VpD であり、負荷条件に依存しないという結論が導出される。重負荷では、確かにそうであるが、チョークコイルの電流が断続する軽負荷の時には、Dを小さく絞り込まないと出力電圧が上昇するので、実際のDC-DCコンバータでは、軽負荷=チョークコイルの電流が断続する条件下での解析が必要となる。

軽負荷での解析は、1サイクルのエネルギー収支で計算するが、ほとんどの教本には記載がない。断続モード(軽負荷)では、結果のみを示すと D=√{2Lf/(RLVp(Vp-Vo)} RL:負荷抵抗、L:チョークコイルインダクタンス f:SW周波数である。

重負荷では、数サイクルから数10サイクルを経て定常状態となるが、軽負荷では基本的に1サイクルのエネルギー収支で出力電圧が決まる。制御性が異なるのである。

従って、断続モードから連続モードへの負荷変動がある場合と、逆の場合では異なる過渡応答特性を示す。

L,C回路を一次遅れ回路で制御すれば、3次以上の制御系になる。しかも、ダイオードのために非線形である。アナログエンジニアはこの問題を解析的には解けない。

電源回路では、無負荷でも安全に動作する必要が高い。軽負荷での挙動も把握しておかないと設計にならないと思う。

また、元電源の電流波形もノイズに関係するのでフィルタを要することも多くある。

降圧形DC-DCコンバータはSW、ダイオード、コイル、コンデンサ、負荷が各1個の簡単な回路であるが、その挙動の奥行きは深い。

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