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  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

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2010年12月 3日 (金)

回路測定

電子回路は測定に始まり、測定で終わる。少なくともアナログエンジニアはそう思っている。

回路の見どころは人に依存して変わる。例えば一次CR遅れ回路を初めて学んだ人なら、実回路の入出力関係をまず観測する。そして、モデルからの予測結果と実測値とを比較し、検証していく。実回路では、これらの基礎実験の経験を元に、もっと複雑なモデルを念頭に置いて、各側面から回路の電流・電圧・波形を観測し、目標とする機能が正常に動作しているかチェックして行くのだ。

初心者は解析しやすい回路から始めるのが良いだろう。部品数の少ない回路が理解しやすいとは限らないが、その人なりに構築したモデルから予測できる結果と実測値を照合するのだ。この過程を繰り返すことにより、もっと複雑な回路を扱えるようになるのだ。

電子回路は電流・電圧のダイナミックレンジが広い。電流では100fAから100A、電圧ではnVから数10kVに及ぶ。扱う周波数もDCからGHzに及ぶ。学生実験では、実験条件を明示するが、実務では自分で測定器を選び、測定項目を決めデータを整理しなければならない。当然、測定器の性能は把握していなければならない。

回路によっては、電流測定が大きな意味をもつ。しかし、電流測定では回路の一部を切断し抵抗を挿入するか、電流プローブを接続しなければならないので、回路電流を測定することはかなりの決断を要する。抵抗が接続されているなら、オームの法則により両端電圧から電流を逆算する。電流を測らない、測れない回路屋も結構存在するのだ。

場合によっては、被試験回路が測定装置の一部となることもある。

電気は目に見えない。電気を実在のものと感じるには頭の中で、常にモデルと実際の実際の照合経験が必要だ。測定はその狭間に介在する。

実務でのアナログ回路開発の時間は、1回路当たりおそらく数カ月程度であろう。この期間に、実験と計算を繰り返し、対象回路の完成度の高いものに仕上げていくのだ。

ダイオード・トランジスタを真に理解するためには、それらの主なパラメータの測定方法を理解し、さまざまな条件での挙動を知っておく必要がある。

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