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2010年12月 9日 (木)

瞬時停電対応

商用電源の短時間(数サイクル)停電の影響を受けない電源回路システムを要求されることは珍しくはない。特に産業用デジタル回路では、不再現のトラブルを回避するため、電源部で対応することが多いだろう。場合によっては、瞬時停電対応の機器を非常時運転の無停電電源装置で数分間バックアップし、同時に自家発電装置を起動する。

機器単体での対応策は、その電源がドロッパ式の安定化電源か、スイッチング電源かに依存して異なる。いずれも基本は、整流・平滑回路の電源電圧を高めに設計し、瞬停の間は安定化回路に必要な電圧を下回らないように平滑回路のコンデンサの蓄積電荷で仕様の時間定格電流を供給する。

力率補正回路付きの電源では商用周波数の電圧波形を参照している場合もあり、やや問題は複雑になる。

ここではドロッパ式の場合の設計条件を概観してみよう。

課題の形は「瞬停の期間、最悪でも安定化出力が低下しないこと」である。

もっと具体的に記載するなら、商用電源が最低電圧の時、平滑回路の谷電圧のタイミングで電源が断たれた際に、出力電圧+安定化に必要な電圧(ドロップアウト電圧)以上が定格出力電流負荷で規定の時間保持されることである。これにより、安定化前電源電圧と平滑コンデンサの容量を決める。

そして、裏の仕様は、商用電源電圧が仕様の上限であっても、回路の信頼性に影響しないことの要求がある。

2次側がドロッパ式なら、瞬停対策により2次側電圧が上昇する設計となるから、安定化回路の熱計算や耐電圧は再計算になる。

コンデンサ量が増えるので、電源フューズもチェックも必要となる。

電子回路では、「瞬停対応」の項目があるだけで、このような設計条件の変化がある。しかも、ドロップアウト電圧は必ずしも明瞭とは限らず、回路、温度依存性がある。

このような作業のリストアップができなければ、設計作業は開始できないのである。

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