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  • 単独著
    アナログ電子回路設計入門 (1994.12)、コロナ社: 実践アナログ回路設計・解析入門 (2005.1)、日刊工業: オペアンプ基礎回路再入門 (2005.7)、日刊工業: ダイオード・トランジスタ回路入門 (2005.12)、日刊工業: スイッチングコンバータ回路入門 (2006.9)、日刊工業: これならわかるアナログ電子回路基礎技術 (2007.6)

専門とする事項

  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

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  • 岡山 努: アナログ電子回路の基礎と入門!これ1冊

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2010年12月10日 (金)

電子回路の解析精度

電子回路の設計では解析対象にも依存するが手解析、シミュレーションを問わず精度1%を達成するには多くの場合かなりの努力と技術が必要である。

たとえば、1石トランジスタ増幅器の増幅率の計算ではhFE、アーリー電圧、電源電圧、入力抵抗、信号源抵抗、出力負荷、各部の寄生容量などに加えて温度も正確でなければならない。

トランジスタの入力抵抗一つをとっても、ベース電流と温度に依存するし、エミッション係数も厳密に1とは限らない。しかも、自己加熱に伴う温度変化も無視できない。

データシートでは、各パラメータの相互関連の整合性が低いデータも存在する。それ故、アナログエンジニアはメーカーから公表されているデーターシートを鵜呑みにすることはまずやらない。回路製作のどこかの段階で主な項目のチェックを入れる。

通常の小信号トランジスタで1石増幅器を組んだ場合、利得も周波数特性も信号源インピーダンスの影響を強く受ける。

従って、周波数特性の定量的議論をする場合には、少なくとも信号源インピーダンスの明示がなければ、その解析、データーはほとんど意味をなさない。

トランジスタの入力抵抗hieを使った教本が多いが、ふつう、これはデーターシートに記載がない。自分で計算または測定すべき項目である。

多くの電子回路では、オペアンプ回路などの一部を除いて1%精度以下の解析はあまりやらない。それよりも、多くの特性項目のバランスを優先させた設計が重要である。

必要に応じ、必要な精度で回路モデルのパラメータを得る手段をもたなければ回路技術とは程遠い。

測定技術はどの工学でも必須の素養だと考えるが、この技術をもたない、この感性をもたない学卒者が現在は実に多いのである。大学教育はほんとに大丈夫?

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