積層セラミックコンデンサ
積層セラミックコンデンサは近年小型大容量化が進み、性能の向上も著しい。容量範囲も拡大した。
小型・軽量化のニーズが高い民生用などでは、多くはチップ形状である。
だいぶ以前のことであるが、アナログエンジニアは積層セラコンの選定で2度失敗している。大容量品では、等価直列抵抗が大きくなる傾向が強い。温度依存性も非線形で高誘電率系では大きい。これを念頭に置かないと、希望する回路特性が得られない。第2はチップサイズが大きくなると熱歪みが大きくなり、特にチップ品では厳しい。
等価直列抵抗ESRの情報はインターネットカタログではほとんど記載がなく、代理店を通して周波数特性を入手することになる。
誘電体に依存して、コンデンサの温度は実にさまざまである。数10ppm/℃から、全温度範囲では-80%などという品種も存在する。
誘電体吸収は概してフィルムコンデンサに比べ大きい。
従って、電源回路の平滑用などの用途では、注意深く、積層セラコンの諸特性を勘案して選ぶことが重要である。周波数が少し高いと、大容量品よりもやや最大容量が小さい(誘電体の特性の良い)品種の方が効果的な場合もある。
チップ部品になると、対応する基板パターン作る必要が高いので、実験もやりにくい。
積層セラコンの選定に対しては、容量・温度特性・ESR・誘電対吸収特性など相反する項目をバランスよく、必要に応じて回路全体の構成も変えるつもりで選ぶことだ。
いつも、都合のよい部品が存在するとは限らない。とくに、小ロット生産品で高性能を目指す時には苦労が絶えない。
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