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  • 単独著
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  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

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2010年12月24日 (金)

回路の見どころ

回路の見どころは人によって異なるとアナログエンジニアは考えている。問題意識がなければ、回路の重要なポイントすなわち設計者がどのように考えて課題に対処しているかが判らない。

私の場合は、最初に回路構成を概観した後、その回路のバイタルポイント=重要でかつ回路の解決しにくい課題 の解決方法に着目する。その解決方法が新規ならその利点、課題と、設計者が行ったトレードオフの痕跡を辿る。これが私にとっての回路の見どころである。

したがって、実務経験の少ない方にとって見れば、ほとんどの部分が、その回路の見どころになってしまうはずだ。

自分が悩み、迷った回路部分への対処例が回路の見どころである。

入門者にとっては、素子自体の特性も重要な見どころである。例えばpn接合の順方向特性なら、広い電流範囲の測定例が電流片対数グラフ上で見たとき、幾桁にもわたり直線部が存在することを示さなければ、I=Is・exp(Vj/mVT)  Is:飽和電流、Vj:接合電圧 m:エミッション係数 VT:熱電圧 であることを実感できないだろう。さらに、接合に寄生する直列成分が寄与してくる大電流領域では、片対数グラフ上で見かけ上のVjは急増する。

半導体を利用した電子回路では各種パラメータの電流依存性や温度依存性に対する知識も必要だ。この知識があってこそ、回路の定数設計の意味=回路の見どころが判るのだ。

回路設計は実学である。単なる回路理論では物は作れない。

電子回路ではいくつかの目標仕様をバランスよく低コストで実現することを必要とする。そのバランスのとり方、バランス感覚、工夫の痕跡が回路の見どころである。

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