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  • 単独著
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  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

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新刊

  • 岡山 努: アナログ電子回路の基礎と入門!これ1冊

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2011年1月28日 (金)

回路屋の育ち方22

学ぶことは真似ることから始まる。アナログエンジニアも例外ではない。

入社後の新人は、普通、出来上がった回路の特性測定の仕事を与えられることが多い。その過程で指導者の見解と自分の見た世界との差異を感じることは稀ではないだろう。そのとき、差異を無視して従うか、自分が解決すべき課題と捉えるかでその後の世界はことなってくる。

私は、見解の差異を自分の課題とした。その課題を忘れることなく、しかし、事を問いただすこともしなかった。指導者が必ずしも正しいとは限らない。世の中には様々な力量、見識の方がいるのである。

その際、役立ったのは専門書とくに洋書であった。和書は多数読んだが玉石混合である。

次の段階で自分が設計する立場になると、その回路の周辺を含む過去の記録や他人の記憶を徹底的に辿り、他人の失敗は明日は我が身、との気持ちで頭の中に留めた。失敗の記録や開発の経緯などは、むやみにメモすべきではないだろう。そんな性質の記録ではないからだ。時間の経過とともに、これらの記憶は自分のセンスまで浄化されて、より失敗しない工学者となれるのだ。

もうひとつ重要なことは、ごく基本的な回路要素の手解析を数多くこなしたことである。これは、自分のアイディア・発想に繋がる知恵のライブラリとなった。

世の中には、いつも失敗ばかりしている設計者と成功率の高い設計者、その中間が存在する。

その分かれ道は、批判の前に、「自分ならこうする」という自問自答があるべきだろう。

これができなければ、開拓者であり続けながら成果を上げることは確率的に低くならざるを得ない。

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随想」カテゴリの記事

コメント

はじめまして、27歳、失業中の回路設計者です。

私が先日まで勤めていたメーカは、いわゆる中小メーカで、自社製品部門の電気設計者は、経験の浅い、私ひとりで業務を行なっていました。デジタル、アナログ、ハーネス設計、評価など全てこなしていましたが、世間のレベルからは程遠い内容だと思います。

人数が少ないため、電気を軸に置いた業務ばかりではなく、設計部の仕事ではあるが「設計」の仕事ではないものを淡々とこなす日々が多かったように思います。

回路設計者として、世間のレベルから外れないだけの指導を受けられる環境も無く、独学の日々でしたが、回路設計者の道筋から逸れていく感覚が拭えず、退職してしまいました。

私は、会社の都合により、派遣にて他メーカの職場でも働いたことがありますが、私のような環境で仕事をしている方々も多く、現在の日本のメーカにおいて、本物の「回路設計者」のレールに乗っている若手の人材は少ないのではないかと思います。

何と言うか、ベテランと若手の差が縮まっていかないという印象を持っています。


こちらの記事にありますように、エンジニアとして成長していくには、技術を盗める環境が大事なのだと痛感いたしました。そのような環境で業務が出来る方々が本当に羨ましいです。

転職先もなかなか見つからない日々ですが、今度こそ、回路設計者として成長できる環境で働きたいと考えています。

AKさん おはようございます。

デジタル、アナログ他、広く経験なさっているようですね。次の段階で一芸に特化して腕を磨くか、ゼネラリストを目指すかが大きな分かれ道でしょう。
良い就職先が見つかることを祈念します。

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