インダクタンスの作り方
電子回路ではコアを入手してインダクタンスを作ることが結構ある。チョークコイルとして使う場合には、最大電流とインダクタンスの値はトレードオフ関係にある。コアサイズが決まれば、最大電流時にコアが飽和せず、必要なインダクタンス値が得られるコアサイズを選ぶ必要がある。
自作する場合、アナログエンジニアはトロイダルコアか、トランス用のコアにギャップを入れて製作する。
トロイダルコイルでは、巻き数が少ないときには自分で巻けるが、巻き数が多くなるとトロイダル巻き線機が必要になる。
いずれの場合にも、AL値(インダクション係数)はデータシートに記載されているので、L=AL×(巻き数の2乗)で概算できる。あとは、最大飽和磁束密度によって制限される最大電流をチェックする。
交流分が周波数が高く、大きいときにヒステリシス損失を小さくしたい場合には、大きめのサイズのコアを使い、磁束密度を下げて使う。
EIコアなどのトランス用コアでは、ギャップを入れてAL値をデータシートに従って求める。
巻き線可能な断面/窓面積は、コアメーカーがうまく設計してあるので普通障害にはならない。
巻き数は整数であるから、巻き数が少ないときには細かいインダクタンスの調整はできない。
しかし、インダクタンスのAL値は起磁力Hの関数であるので、細かいことを気にしていても無駄だろう。
線径が1mmを超えると、巻き線がだんだん難しくなりコアを破損する場合もある。
インダクタンスは回路設計者がコアを選び巻き数、ギャップなどの諸元を決めるという意識がないと、良い回路設計はできないだろう。
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