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  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

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2011年1月12日 (水)

安定化RCC回路

自励式リンギングチョークコンバータ(RCC)回路は主巻き線と副巻き線2の3コイルが一般的に必要で、これに2次コイルが加わる。安定化には副巻き線から主スイッチからベース電流を吸い取る形で制御が行われる。

主に、電源と絶縁された複数の安定化フローティング電源を得るのに使われることが多いが、負荷に依存して発振周波数が変化する回路系が多く、かつ意外に設計が難しいので、設計者の特徴がでる。

安定化RCC回路は、1石で自励発振し、起動特性や負荷変動に対してもオーバーシュートはあまりしない。副巻き線とツェナーダイオードを使って帰還し安定化するので精密な2次電圧は得にくいが補助電源回路としては簡便な回路であると私は考えている。

同じ目的で、供給される電源があまり変動しないときには、アナログエンジニアはRoyer回路など2石式飽和形磁気マルチバイブレータを使用することが多い。理由は簡単で、自分にとって設計実績が多いというだけのことである。飽和形の磁気マルチは、発振周波数が電源電圧に比例する形式が多いが、それさえ覚悟すれば多数の補助電源が一度に得られる利点がある。コアを工夫して渦電流損とヒステリシス損を減らせば、数10kHzでも動作する。

いずれの回路も、設計できるまで複数年の解析を要している。

部品数が少なければ解析が容易とは必ずしも限らない。

いまは、使う頻度が減少した回路形式であるが、さまざまな派生的回路が存在し、急所の設計部分が広くは知られていない回路である。

絶縁補助電源は回路屋にとって、必要悪みたいなもので、できれば使いたくない回路である。その心は、周囲にその設計の難しさがあるうえに、起動失敗のリスクを極小化するための工夫がいつも必要となるからである。

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